英明 センバツ初勝利狙う 課題の打撃力改善へ「とにかく冬はバットを振らせた」

 「選抜高校野球」(3月23日開幕、甲子園球場)

 3年ぶり2度目の出場が決まった英明(香川)。昨秋は1年生エース・黒河竜司投手を中心に粘り強く戦い、四国大会準優勝でセンバツ切符をつかんだ。ナインが掲げる目標は、3年前に果たせなかった「1勝」。冬場は徹底的にバットを振り、打力向上に励んでいる。

 小高い丘の上に金属音が鳴り響く。7カ所の打撃ケージが常設されている練習グラウンド。3年ぶりのセンバツに向け、英明ナインは徹底的にバットを振り込んでいる。

 「例年に比べれば、今年のチームは打てない。投手が良かったから勝ち上がったけど、センバツまでに打つ方を仕上げないと。とにかく冬はバットを振らせました」。香川智彦監督(60)は打撃練習を見守りながらチームの課題を挙げた。

 驚異的な粘り強さが光った昨秋。優勝した県大会は、1-0で勝った2試合を含めて5試合すべてが3点差以内という接戦の連続だった。防御率1・96と安定していた1年生エース・黒河の好投を原動力に四国大会も準優勝。ただ、チーム打率は・279にとどまり、05年の創部以来「強打」のイメージが強い英明打線としては物足りなさが残った。

 今年は2年生部員が9人と少なく、バッテリーを中心に多くの1年生が主力を担っている。「層は薄いが、伸びしろはある」と香川監督は話し、冬場は若いチームの打力アップに力を注いできた。

 週3回のウエートトレーニングに加え、短距離ダッシュなど走り込みのメニューを数多く取り入れ下半身を強化。授業前の朝練では1人約500球のティー打撃を続けてきた。高校通算25本塁打の千原凌平主将(2年)は「冬場はみんな、1日1000スイングくらい振った。甲子園では打線がしっかり打って、黒河を楽にしてやりたい」と力を込める。

 絶対的エースに成長した黒河もレベルアップに余念がない。直球のスピード向上だけでなく、チェンジアップやフォークなど変化球の種類を増やして投球の幅を広げている。

 昨秋の四国大会決勝では明徳義塾を八回まで無失点に抑えたが、1-0で迎えた九回に3安打で2点を失い逆転負けを喫した。「明徳戦は失投を打たれた。センバツでは失投を少なくして、打たせて取る投球をしたい」。コントロールミスをなくすために、1球1球集中して投げ込みを続けている。

 初出場の3年前は初戦敗退。打線が5安打と力を出し切れず、大曲工(秋田)に1-4で敗れた。センバツ初勝利を狙うこの春は、英明らしい低く強い打球でエースをしっかりと援護する。

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