史上最多とされる高校通算１１１本塁打を誇る早実・清宮幸太郎内野手（３年）が２２日、東京都国分寺市の同校で会見し、プロ志望を表明した。理想の選手像には、ＯＢの王貞治ソフトバンク球団会長（７７）を挙げ、大先輩が持つ８６８本塁打のプロ野球世界記録を目指すことを宣言した。

　無数のフラッシュを浴びながら、清宮は進む道を力強い口調で明かした。「私、清宮幸太郎は…プロ野球志望届を提出することに決めました」。試合とはまた違う緊張の面持ちで、夢だった世界への決意表明を行った。

　自分で感じ、自分で考え、自分で決めた。相談した相手は「誰にというのはあまりない」とし、ラグビートップリーグ、ヤマハ発動機監督の父・克幸氏（５０）から受けた影響も「あまりないです。自分が選んだ道を応援してくれるということだったので」と進路の選択には及ばなかった。

　最終決断は、Ｕ－１８ワールドカップから１２日に帰国した直後。しかし、以前から胸の内は固まっていた。「高校野球でいろいろなステージを踏むことによって、プロの世界も見えてきた。３年間が自分の中で大きな決め手でした」。２度の甲子園出場、本塁打記録の更新、２度の高校日本代表入り。経験が自信となり「野球に一番集中できる環境を選びたい」と最高峰の舞台が当然の選択となった。

　プロでは壮大な目標がある。理想の選手を問われると「やはり早実の先輩である王貞治さん。いずれは８６８本を目指せるような選手になりたい」と即答した。途方もない世界記録への挑戦も「先輩ですし、目指さなくてはいけないという使命感もある。やるからには、王さんのような人間になりたいと思いますし、野球人にもなりたい」と宣言した。

　週明けにもプロ志望届を提出。以降はプロ側との面談が可能となる。基本的にはＮＰＢ１２球団が選択肢になる姿勢を示した上で「とにかく自分を厳しく指導していただいて、成長させていただける球団に行きたい」と希望を口にした。

　将来は『メジャーのホームラン王』という夢もある。「もちろん、夢は変わっていない。プロの世界でも一つ一つ目の前の目標をクリアしていくことで、先につながっていくという思いも、自分でも確信がある」と清宮。高校球史に名を刻んだ怪物スラッガーは、しっかりとしたまなざしで未来を見据え、憧れ続けた世界に飛び込む。