中日岩瀬、日本新950試合登板 次の目標Aクラス「もう一度CSで試合を」

 「巨人4-5中日」(6日、東京ドーム)

 中日の岩瀬仁紀投手(42)が6日、巨人18回戦(東京ドーム)で通算登板試合を950とし、阪急(現オリックス)などで通算350勝を挙げた米田哲也氏がつくったプロ野球記録949を上回って歴代単独最多となった。5-4の九回を無得点に抑えて今季2セーブ目を挙げ、自身が持つ最多記録も404に伸ばした。

 アピールプレーの仰天決着もまた、歴代単独最多登板の金字塔に色を添えた。リードは1点。九回を託された岩瀬がゼロに抑えた。

 「本当に自分がやったのかな、と。信じられない。自分が一番でいいのかな」

 球場全体から拍手が頭上に降り注ぐ。「久しぶりで1点差の九回。記録もかかっている。緊張した」というメモリアル登板は、最後の打者を仕留め…ずに終わった。

 1死から四球と安打で一、二塁。坂本勇のセンター後方への飛球を大島が好捕し、あとアウト1つ。続く阿部が打席に入ると、岩瀬はプレートを外して二塁に送球した。飛球に飛び出した一塁走者の重信が二塁を踏まずに帰塁したアピールプレーが成立し、ゲームセットとなった。

 「初めて(の経験)ですね。僕自身、あっけにとられました。まさか、あんな形で終わるとは思わなかった」

 あれほど難しかった1つのアウト。プロ1年目の開幕戦。99年4月2日の広島戦(ナゴヤドーム)で初登板し、3安打を浴び1死も取れずに降板した。

 「(開幕投手の川上)憲伸から『人生を狂わされた』と言われてね。プロ野球の難しさを最初に味わった。アウト1つの大切さをずっと身に染みてやっている」。その難しい仕事を積み重ね、ご褒美のようなこの日の最後のアウトだった。

 ただ、息をつく間もない。次の目標についてキッパリと言った。「Aクラス。もう一度CSで試合をしたい」。山の頂に到達したら、次の山を目指す。岩瀬の物語は、まだ続く。

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