智弁和歌山、元虎戦士・中谷コーチと甲子園 愛弟子・蔵野V撃

 2年ぶりに優勝を決め喜ぶ智弁和歌山ナイン
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 「高校野球和歌山大会・決勝、智弁和歌山3-2紀央館」(28日、紀三井寺運動公園野球場) 

 和歌山大会は智弁和歌山が2年ぶり22度目の夏の甲子園出場を決めた。同点の七回、4番・蔵野真隆捕手(3年)が決勝適時打を放った。今春、同校コーチに就任した元阪神でOBの中谷仁氏(38)へ恩返しの一打となった。兵庫大会は神戸国際大付が3年ぶり2度目の優勝。猪田和希捕手(3年)が決勝2ランで春夏連続出場へ導いた。

 勝負を決めたのは、新任コーチの愛弟子が放った一打だった。同点の七回、1死二塁で打席に入った4番・蔵野。2ボールからの3球目を「ストライクが来たら思い切り振ろう」と左前へ運び、決勝点をもぎ取った。

 1点リードの九回は1死走者なしから3連打で満塁のピンチを招いたが、最後の打者を遊直併殺に仕留めてゲームセット。1点を争う接戦をものにした。

 甲子園常連校も昨年は春夏とも出場を逃した。今春、97年夏に初優勝した時の主将でもある中谷コーチが就任。ナインは野球論を叩き込まれた。「配球の意図をはっきりしろと言われる。球を要求する時、意思を投手に強く伝えるように」と蔵野。1球へのこだわりを徹底した。

 また、中谷コーチが阪神、楽天在籍時の監督だった野村克也氏の話を聞かせてもらうこともある。「捕手は結果論。抑えたら投手が評価され、打たれたら捕手が責められる。(責められる)ストレスはバットにぶつけろと言われます」と“ノムラの教え”を学んだ。

 試合を見守った中谷コーチは「蔵野はプレッシャーもあったと思うが、この1本で報われる」と称えた。全国制覇から20年がたち、指導者として甲子園に戻る。「立場が変わればまたルーキー。これからです」と喜びに沸くナインに目を細めていた。

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