清宮、高校最多に並ぶ107号 吼えた雪辱弾!早実決勝進出

 「高校野球西東京大会・準決勝、早実4-1八王子学園八王子」(28日、神宮球場)

 西東京大会では準決勝が行われ、早実が昨年敗れた八王子学園八王子に雪辱し、2年ぶりの決勝進出を果たした。怪物スラッガー・清宮幸太郎内野手(3年)は、七回に左中間席へのソロを放って勝利に貢献。史上最多とされる山本大貴(神港学園)の高校通算107本塁打に並んだ。30日の決勝は、15年の決勝で破った東海大菅生と対戦する。

 たぎっていた感情が爆発した。普段は本塁を踏むまで淡々とダイヤモンドを回る清宮が、着弾点を確認した瞬間に荒々しく吼(ほ)えた。屈辱から1年後のリベンジ弾。「ずっとこの日のためにやってきた」。高校通算107号は、記録以上に自身の記憶に刻まれる一本となった。

 1点リードの七回無死。走者を出しながら突き放せない嫌な流れを一振りで変えた。それまで2度凡退させられていた外角低めのチェンジアップに反応。父・克幸氏もバックネット裏から見守る中、弾丸ライナーは“清宮シフト”で左中間にいた左翼手の頭上を越え、スタンドに突き刺さった。

 昨夏準々決勝の九回。同点3ランかと思われた清宮の打球は、右翼フェンス手前で失速した。「あの打席からこの1年は始まったというのがすごくある。あの打席を思いつつ、この1年、トレーニングとか練習をずっとやってきた」。同じ相手、同じ投手から放ったアーチ。「その成果が、あの一本に凝縮されたのかな」と話す言葉に実感がこもった。

 チームも初心に返った。準々決勝後、和泉実監督(55)から「まだギラギラしたものがない」と指摘され、昨秋の東京大会決勝・日大三戦の映像を見た。夏の敗戦からまだ3カ月、闘志をむき出しにしていた自分たちの目つきと表情を見て、気合を入れ直した。

 「ここで勝たなければ、今まで自分たちがやってきたことの正しさが証明されない。ここは勝たなきゃいけないと、ずっと言っていた」という雪辱戦に勝利。越えねばならぬ壁は越えた。

 残るはあと1勝、そしてあと1本。「まだ並んだだけ。次に打ったら自分の中でも『超えたな』という感じはあると思う」と通算本塁打に触れた清宮は、達成感を問われ「次に勝ってからだと思う」と口元を結んだ。自身2度目の夏切符と新記録。2つを手にして、心底からの歓喜に浸る。

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