三本松24年ぶり甲子園切符 ケガに泣いた4番…最後の夏に大仕事

 「高校野球香川大会・決勝、三本松7-1丸亀城西」(23日、レクザムスタジアム)

 三本松が丸亀城西を下し、24年ぶり3度目の夏の甲子園出場を決めた。右膝のけがに泣かされ続けた4番・盛田海心内野手(3年)が、五回に勝利を決定づける右越え2ランを放つなど2安打3打点の活躍。エース・佐藤圭悟投手(3年)も7安打1失点の好投を見せるなど、快勝で香川の頂点に立った。

 けがで苦しみ抜いた男がチームを甲子園に導いた。0-1で迎えた五回、三本松は3連打で2点を奪い勝ち越すと、なおも2死一塁で4番・盛田が打席に入る。初球だった。「真ん中の直球。打った瞬間、入ったと思いました」。打球は美しい弧を描き、右翼芝生席に吸い込まれた。

 24年ぶりの夏切符をグッと引き寄せる2ラン。盛田は七回にもタイムリーを放ち、エース・佐藤を援護した。「ずっと甲子園を夢見ていた。両親やお世話になった人たちに感謝したい」。校歌を歌い終わると晴れやかな笑顔で喜びを口にした。

 入学直後にレギュラー入りした期待の左打者だった。しかし、1年冬に右膝半月板損傷の大けがで手術。そこから長いリハビリ生活が続いた。チームとは別メニューの毎日。「マネジャーになろうと思ったこともある」と振り返る。

仲間がいたから

 それでも復帰を諦めなかったのは、「3年の夏に間に合えばいいから」と辛抱強く待ってくれた仲間たちのおかげだ。2年秋に代打で戦列に戻ると、今春の四国大会でスタメン復帰。4番として最後の夏に間に合った。

 右膝はまだ入念なケアが欠かせない。準々決勝・高松商戦の前には、膝にたまった水を抜く治療を受けた。そんな中、今大会は20打数8安打で打率・400。日下広太監督(33)も「苦しい時期があった分、結果が出て良かった」と盛田の復活を喜んだ。

 春夏合わせ過去3度の甲子園で、三本松はまだ1勝も挙げていない。「ヒットを打ってチャンスをつくって、1つでも多く勝ちたい」と盛田。夢舞台でも4番の仕事を果たしてみせる。

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