ロッテ・平沢、故郷でプロ2度目マルチ「恥ずかしい姿は見せられない」

 「楽天4-6ロッテ」(9日、Koboパーク宮城)

 熱気を帯びていた風が夕刻になると冷たくなった。いつものように黙々と用具を片付けるロッテ・平沢が言った。

 「練習をしっかりとやれて、しっかりとした形で(バットを)振ることができる。それがヒットにつながっています」。この言葉が今の充実度を物語る。

 三回1死から右へ先制点の突破口となる二塁打。四回2死一塁では外角の真っすぐを左前へ運んだ。昨年の8月21日の西武戦以来、プロ2度目のマルチ安打だ。

 移動日の8日。母校の仙台育英高に佐々木順一朗監督を訪ねた。恩師からの「思い切ってやれ」の一言に、思わず大声で「ハイッ!」とうなずいた。

 デーゲーム。スタンドに母校の生徒たちが多数詰めかけた。父・政幸さん、母・恵さんの姿も。敵地でも大声援が飛ぶ。「恥ずかしい姿は見せられないと思った」と胸を張った。

 伊東監督は「ここのところ状態が良かった。しばらくはこのまま使いたい」と話した。キャンプから続く遊撃戦争。奮闘する平沢に故郷の風は優しかった。

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