履正社・安田が本領発揮 弾丸2長打含む3安打!悲願初Vオレが導く

 「選抜高校野球・準々決勝、履正社8-1盛岡大付」(29日、甲子園球場)

 準々決勝が行われ、履正社(大阪)は盛岡大付(岩手)を下して14年以来3度目の4強進出を決めた。今秋ドラフト上位候補・安田尚憲内野手(3年)は、桁違いの打球を連発して今大会初の3安打。エース・竹田祐投手(3年)は2安打1失点で完投。投打がかみ合った快勝で、昨秋の神宮王者が同校初の甲子園優勝まであと2勝とした。

 甲高い金属音は、どよめきにかき消された。鋭い打球が一気に野手の間を抜ける。高校生離れしたパワーを見せつける3安打。安田がついに目覚めた。

 この試合まで今大会の打率・143。「かなり鬱憤(うっぷん)がたまっていたので、すっきりしたという気持ちはある。狙い球を絞って自分らしい打撃ができた」。主砲としての役割を果たし、少し表情を緩めた。

 初回2死は左中間二塁打。ライナーは背走する中堅手をあざ笑うかのように伸び続けた。六回2死二塁では右中間へダメ押し適時二塁打。二塁手の頭上を越えたライナーは、芝生で跳ねても失速せず、フェンスまで到達した。

 八回2死はスライダーに体勢を崩されず、またも弾丸ライナーで二遊間を破った。本塁打ではなくてもインパクトは十分。普段は安田に厳しい岡田龍生監督(55)も「高校生の打球ではなかった」と舌を巻いた。

 身長188センチ、体重95キロ。スクワットはチームトップの200キロを上げる。並外れたパワーを生み出す土台は、両親の徹底した食育で培われた。父・功さん(55)の方針で、母・多香子さん(54)は、幼少期からなるべく添加物を使わない食事を準備してきた。

 家には菓子やジュースはなく、牛乳は毎日2リットル飲んだ。多香子さんが「インスタントラーメンの作り方も知らなかったと思います」と話すほど、こだわった食事で屈強な肉体を作り上げた。

 節目の高校通算50号に話題が及ぶと「打ちたい気持ちはある」と本音も吐露。それでも今は履正社にとって、春夏通じて初の甲子園制覇しか見えていない。「自分らしい野球をして、一戦必勝で行きたい」。東の大砲、早実・清宮は甲子園を去ったが、西の大砲が聖地を盛り上げる。

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