侍・内川、代打でV犠飛 小久保監督の起用に応えた

 「WBC・2次リーグE組、日本8-5キューバ」(14日、東京ドーム)

 勝負の命運を握る一瞬に、全神経を研ぎ澄ます。「代打・内川」のコールに大歓声が降り注ぎ、大きな重圧がのしかかる打席で、内川(ソフトバンク)は己のすべてをバットに乗せた。

 「もう気合で打席に入りました」。同点の八回1死一、三塁。小久保監督は2安打の小林に代えて、代打の切り札・内川を打席に送った。そして、キューバ3番手・ラエラが投じた外角スライダーを右翼へと運ぶ。

 ファウルラインギリギリの飛球。「捕ってくれと思っていました。何でもいいから1点と」。その思いが届く。ファウルゾーンで右翼手が捕球すると、三走・松田が決勝の本塁へと駆け込んだ。

 まさに勝負の一手。「迷いました。ラッキーボーイの小林のところへ代打を出すのは勇気がいる」と小久保監督。それは内川にも伝わっていた。「勝負を懸けたところで結果を残せないと、チームにマイナスになる」。そんな想像を絶する重圧を見事にはね返した。

 天国と地獄を見たWBCだ。09年大会は好守で活躍して世界一も、13年大会は走塁ミスで準決勝敗退。だが「悔しさは自分で何とかしないといけない」と心にしまい、慣れない代打でチームの力となることのみを考えてきた。「この場にいる幸せを感じている」と内川。頼もしいベテランが、侍を頂点へと導く。

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