藤浪、鉄仮面になる ジョーの金言「審判に不満見せるな」

 「侍ジャパン強化合宿」(23日、宮崎)

 WBC日本代表で、阪神の藤浪晋太郎投手(22)が23日、宮崎市のサンマリンスタジアム宮崎で強化合宿初日の練習に参加した。バッテリー陣は権藤投手コーチを通じて、09年の第2回大会で優勝に導いた元阪神・城島健司氏の金言を伝授された。28日の台湾選抜との壮行試合に登板予定の藤浪は、世界一への“ジョー言”を胸にマウンドに上がる。

 憧れだった代表のユニホームに袖を通した。昨年11月の強化試合と変わらぬ戦闘服。だが、本大会を前にした初日の練習に、藤浪の表情は思わず緩み、背負うものの大きさを感じていた。「身の引き締まる思いですね」。ついに始まる。世界一への挑戦だ。

 練習前のミーティングではバッテリーに対して、権藤投手コーチから助言が送られた。際どいコースの判定に関する内容で「審判のジャッジには過剰に反応するな」というものだった。「ストライク、ボールはデリケートな問題。惜しいところはウーンとなるが、さりげなく(返球を)受けろ」と伝えられた。

 捕手もボール判定後、ミットを数秒間止めることがあるが、この行為をやめるように求められた。短期決戦となる国際大会。審判の判定は公正、公平だが、不満を見せることにプラスはない。これは同コーチが以前、城島氏から聞いた話だ。第2回WBCの優勝メンバーで、米国と短期決戦を熟知する男からの金言だった。

 「彼はアメリカでもやったから、よく分かっている。英語もできるから、審判と話しながらコミュニケーションを取っていたらしい。そこまでは難しいから」

 1球、1打席が試合の流れを左右するだけに、細部まで気遣いを怠らぬように求められた。藤浪も神妙にうなずく。「国際大会では、よろしくないようなので。できるだけやらないようにしたい」。この日は投内連係や、走り込みなどのメニューを消化。軽快な動きを披露した。

 その後は平野や牧田らのブルペン投球を近寄って観察。一球一球、驚きの表情を見せるなど、貪欲に吸収しようとした。24日には自身もブルペン入りする予定。28日に行われる台湾との壮行試合に中継ぎ登板する流れで、以降は状態や内容を見て判断される。

 日本代表として過ごす一瞬、一瞬の全てがその後のシーズンに向けての貴重な経験となる。「しっかりと投げるだけです」。初日の全ての練習を終えた藤浪は、引き締まった表情でバスに乗り込んだ。充実の時間を目で耳で体全体で吸収して、飛躍への糧とする。

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