第８８回選抜高校野球（３月２０日開幕・甲子園）の出場校選考会が２９日、大阪市内で行われ、出場３２校が決定。２年連続８度目の出場が決まった大阪桐蔭は大阪府大東市の同校で吉報を聞いた。エースの最速１５０キロ左腕、高山優希投手（２年）は、同校の先輩、阪神・藤浪晋太郎投手らから引き継いだ名門の「背番号１」への責任感を抱いて気迫の投球を見せることを誓った。

　受け継がれる「背番号１」の誇りを胸に、１５０キロ左腕が聖地に立つ。ナインと喜びを分かち合った高山は「甲子園は小さい頃からの憧れの舞台。行かなければならない場所」と使命感を口にした。

　昨夏の出場を逃した同校にとっては１年ぶりの甲子園。昨春は準決勝で敦賀気比に０－１１で敗れたが、高山は途中登板で４回１／３を無失点に抑えた。「（甲子園）初登板だった。経験も、悔しさもある」と大敗した無念も忘れていない。

　「大阪桐蔭の背番号１は他とは違う責任感がある」とあえて自分にプレッシャーをかける。思い描くのは先輩藤浪の勇姿。２０１２年のセンバツ準々決勝、浦和学院戦の七回無死満塁のピンチをエースは気迫の投球で３者連続空振り三振に抑えた。高山は「自分もあんな投球がしたい。あの試合を見て大阪桐蔭で野球をしたいと思った」と大きな影響を受けた。

　西谷浩一監督（４６）は「人生を変えるくらい全力を出し切ってもらいたい。それがチームの大きな勝因になる」とエース左腕に期待する。藤浪も記録した聖地での１５０キロは「できれば出したい」と高山。それ以上に「チームとしては日本一。自分としても大事な大会になる」と強い思いで大舞台に挑む。