ON対決!王さん投げミスター打った

 「名球会ベースボールフェスティバル2016」(11日、ヤフオクドーム)

 日本プロ野球名球会が主催する初のイベント「名球会ベースボールフェスティバル2016」が11日、ヤフオクドームで開催された。セ・パ対抗戦前の始球式では投手にソフトバンク・王貞治会長(75)、打者に巨人・長嶋茂雄終身名誉監督(79)という夢のON初対決も実現。さらに江夏豊対王貞治、佐々木主浩対清原和博など、球史を彩ったライバル対決が再現された。

 胸が熱くなる、夢の対決が実現した。歓声とフラッシュを浴びながら打席に入ったミスター。視線の先にはマウンドに立つ盟友、王会長の姿があった。大打者のふたりが投手、打者で対決するのは史上初。多くの野球ファンが、スーパースターの作り出す“空間”に酔いしれた。

 外角へのボール球を3球連続で見極めた長嶋名誉監督。4球目、王氏の左腕から放たれた白球を目がけて鋭くバットを振り抜いた。左手一本ながらしっかりとボールをとらえ、打球はショート前へ。王氏は「当ててはいけないと思って…。コントロールには自信あったんだけど」と苦笑いで振り返ったが、ミスターがさすがのバットコントロールで、ファンを喜ばせた。

 対戦前、ミスターは「ボールをとらえ、いい当たりをするようにしたいと思います」と語り、王氏は「長嶋さんのバットに当てるのが使命。いい内容で盛り上げたい」と語った。常にファンの期待を背負うスーパースターの共演。対戦を終え、互いに笑みを浮かべて握手を交わした。

 20年東京五輪での野球・ソフトボール種目復帰に向け、レジェンドたちが盛り上げた祭典。ミスターは「オリンピックで野球をやれるように。野球はすごいんだと思ってくれたら」と、充実の表情。野球界にとって、意義深い一日となった。

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