王さん太鼓判!金本虎は日本一になれる

 プロ野球の名球会総会が10日、福岡市内で開催され、2008年に入会した阪神・金本知憲監督(47)が監督として初参加した。総会の席上、ソフトバンクの王貞治球団会長(75)が、昨季新人監督ながら日本一を達成した工藤監督を好例に、新人監督でも日本一になれる!と金本新監督を激励した。

 金本監督は日本一になれる!名球会総会の合間、報道陣から談話を求められたソフトバンクの王球団会長は自軍の指揮官を引き合いに、猛虎の新監督に激励の言葉を贈った。

 「いい例があるじゃない。今まではずっと、その(指導者の)経験がないと(ダメだ)と言われていたけど、そういうことではないんだということを工藤監督が示してくれたから。若返りをはかる上でもいいお手本を示してくれたので、これからもそういうケースは多くなるだろうけど、金本くんは精力的に動いているから、阪神の若い人たちも頑張ってくれるでしょう」

 昨季、指導者経験のない工藤新監督がパ・リーグをぶっちぎり、日本シリーズでもヤクルトを圧倒した。81年間のプロ野球史でコーチ、監督経験のない指揮官が就任1年目に日本一を勝ち取ったのは、わずか2人。阪神では球団史上、まだ達成者はいない。王会長は巨人時代、3年間の助監督を経て監督に就任しただけに味わえなかった歓喜でもあるが、伝統球団を背負う名球会の後輩に快挙を期待した。

 「ありがたいお言葉ですよね。本当に勇気づけられます」

 畏敬の念を絶やしたことのない偉人の言葉に、金本監督はシャンと背筋を伸ばした。王会長はソフトバンク監督時代、自軍ナインを前に選手時代の金本監督を称賛したことがある。死球を受けても平然と一塁へ向かう、その姿勢こそ野球人の手本だと-。ソフトバンク関係者からその事実を伝え聞き、恐縮した記憶は今も金本監督の心に深く刻まれている。常々「別格」と称する王さんの激励だけに胸にズシリと響く。

 総会後の前夜祭では、11日に開催される「名球会対抗試合」のオーダーが発表され、セ・リーグの総監督を王会長、同監督を金本監督が務めることになった。「勝ち負けに関係なく、(皆さんの)機嫌を取りながら、非常に気をつかいながら、采配したいと思います」。金本監督は壇上でジョークを交えたが、「王さんの横にいて、できるだけ色んなお話を聞かせてもらおうかなと思っています」と真顔で話した。「采配の話?そんな堅い話はなしにして…」とは言ったものの、帝王学の一端を学ぶ、尊い時間になるかもしれない。

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