ヤクルト由規 亡き先輩へ捧げた復活投

 「オープン戦、オリックス2-2ヤクルト」(11日、京セラ)

 東日本大震災から丸4年。故郷の仙台は被災し、バッテリーを組んだ1学年上の斎藤泉氏が宮城県石巻市で津波にのまれて亡くなった。ヤクルト・由規にとって、志願して上がった「3・11」のマウンドが、単なる調整のはずがない。

 「この3年、被災地の方々に、プレーで元気や勇気を届けることができなかった」。震災の年の9月を最後に、1軍登板からは遠ざかっている。歯がゆい思いを抱いてきた右腕は2度目の実戦登板に臨み3回を1安打無失点。最速150キロをマークし4三振を奪った。

 試合後には2軍行きを命じられたが、2軍戦で長いイニングを投げるための措置。由規も納得の表情で帰京した。

 「前向きに捉えているので落ち込んではいない。戻った時には100%で投げられるよう、しっかり修業してきます。復興とかけてじゃないけど、復活の年にしたい」。開幕ローテは消滅したが、強い光は差し込んだ。故郷の復興と同様、歩みは遅くても着実に前に進んでいる。

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