日本文理片岡、仲間思いのBチームの星

 「全国高校野球・準決勝、三重5-0日本文理」(24日、甲子園)

 こらえていた涙がこぼれ落ちた。「最後の夏に自分は何もできなかった」と日本文理(新潟)の片岡優斗内野手(3年)。1回戦・大分戦と3回戦・富山商戦に先発したが、ともに2打席凡退で途中交代。この日は出場機会なし。人一倍汗を流してたどり着いた甲子園で、輝きを放てなかった。

 長打力はあるが打撃が粗く、入部からずっとBチーム(約70人)暮らし。Aチーム(約30人)を目指し、仲間からのアドバイスを参考にしながら、自主練習で確実性を磨いた。

 転機は5月にやってきた。聖望学園(埼玉)との練習試合で本塁打に二塁打と爆発。大井監督がたまたま観戦していたという幸運も重なり、春の北信越大会のメンバーに選ばれた。「頭が真っ白で…。(直後は)自分が何番かも忘れてました」。やっと手にした背番号は16。それは、佐藤部長が「野手でずっとBチームの子が、3年生でAチームになったのは記憶にない」と話すほどの快挙だった。

 今でも、自主練習はBチームの仲間と一緒。甲子園入り後も、宿舎でスイングをチェックしてもらった。「感謝してもしきれない」。今の自分があるのは、仲間の支えのおかげだ。

 アルプスで見守る“元チームメート”たちに、聖地で活躍することで恩返しをしたかった。仲間の思いも背負っていた分、涙はなかなか止まらなかった。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

野球最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(野球)

    話題の写真ランキング

    写真

    デイリーおすすめアイテム

    リアルタイムランキング

    注目トピックス