阪神・福島圭音 プロ初安打記念球は「お母さんに渡します」 開幕直後に支配下→抜てき初先発に応えた
「広島2-4阪神」(3日、マツダスタジアム)
一気に二塁へと滑り込むと、球場のボルテージは最高潮に達した。プロ初スタメンの阪神・福島圭音外野手が、記念すべきプロ初安打を自慢の快足で長打にした。
「うれしかった。一生懸命走りました。追い込まれた中でああいう対応をできて良かった」
五回1死、床田の137キロのツーシームを捉えた。ライナー性の打球は左翼線沿いへスライスしながらファウルゾーンへ転がった。タイミングは際どかったが、好走塁が結果に結び付いた。
白鷗大から育成でプロ入り。今季はファームで打率・440の数字を残して、開幕直後に支配下登録をつかみ取った。2日のDeNA戦では代打出場し、粘って13球を投げさせ、この日の先発出場につなげた。
大学時代は授業の合間ですらグラウンドに出て素振りをした。午後11時まで練習場に残った日もあった。少しの時間も無駄にせず、白球にささげた。福島を天性のポジティブ男だと大学の恩師・藤田慎二監督は語る。
「絶対に弱音は吐かない。『やります。絶対上がります』とそれだけしか口にしない」
プロ入り後も毎オフ、欠かさずに母校のグラウンドを訪れ、1年の報告と覚悟を口にした。「うまくいかない時は沈んだりもする。そこから立ち直れたらプロ野球選手の生き方として一番かっこいいって思う」。ポジティブな言葉で自らを奮い立たせていた。
育成選手として節目でもある3年目。今季は危機感が募っていた。「朝起きてイヤだなって思う日もある。毎日必死にやることは簡単なようで難しい。覚悟決めて最近はやれてます」と笑った。
記念球を手に、「とりあえずお母さんに渡します」と笑顔を見せた直後、「4の1だった。チャンスで打てませんでした」と反省も忘れなかった。この姿は平田2軍監督が「打てたことを喜ぶよりも打てなかったことを反省する男だ」と言った通りだった。「緊張しました。やっとプロ野球選手になれたって実感も湧きました」。自らのバットで最高のシナリオを描いていく。
◆福島 圭音(ふくしま・けいん)2001年10月6日生まれ、埼玉県出身。171センチ、69キロ。右投げ左打ち。鳥谷敬に憧れ、聖望学園に進学。白鷗大を経て23年度育成ドラフト2位で阪神入り。名前は母・真由美さんがケイン・コスギの大ファンだったことが由来。
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