阪神CS“秘密兵器”浮上 畠6戦連続0封 シーズン終盤合流で存在感「いい結果を出し続けるしかない」
「阪神6-2中日」(15日、甲子園球場)
ファウルゾーンで3つ目のアウトの瞬間を見届けた。仲間への感謝をたっぷり込めて優しく笑う。阪神・畠が1回を無失点に抑え、6試合連続無失点をマーク。シーズン終盤に1軍に加わった戦力が、ポストシーズンへ向けて“秘密兵器”になりつつある。
「なんとかアピールして。いい結果を出し続けるしかないですね」
4点リードの八回のマウンドに上がった。先頭の石伊を左飛に打ち取り、続く辻本は三ゴロ。岡林に145キロ直球を右前打とされたが、畠の真剣なまなざしが揺らぐことはない。続く鵜飼を初球のカットボールで二飛に仕留め、ゼロを刻む。ベンチ前でナインを待ち受けてハイタッチし、聖地の大歓声を浴びた。
開幕は右手中指のコンディション不良で出遅れた。それでも優勝が懸かる8月31日に昇格すると、3日の中日戦から無失点記録を継続して防御率は0・00。「三振はほとんど取れていないので、バック(野手)にすごい助けてもらっている」と謙遜しながら、連投も、回またぎにも応えてみせた。
4月3日のウエスタン・広島戦で故障してから、4カ月のリハビリ期間を過ごした。5、6月には痛みとともに指の症状が悪化。「もう復帰できないかも。ダメかもしれない」。普段は陽気な畠もこの時ばかりは「さすがに落ち込みました」と声のトーンを落とした。
そんな状況でも明るく振る舞い続けた。「周りにうつしたらダメなので」。周囲に気を使わせず、何事もポジティブ思考な31歳。今ではチームにとって大切な1ピースとなっている。今でも試合中にテーピングをお守りのように巻き、「気持ち的な不安はある」と話す。それでもプロ9年目。藤川監督がよく口にする、不安を埋めるだけの「経験」も右腕の強みの一つだ。
「自分はしっかり低めに投げることを目標に頑張っていくだけです」。謙虚な姿勢も変えることなく、虎の畠がもう一つの頂へ全力で腕を振る。
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