阪神・石井 2位小山に並んだ!47イニング連続0封 6月頭部に打球直撃、離脱の苦しみ乗り越え無双

 「阪神2-0広島」(7日、甲子園球場)

 阪神・石井は満面の笑みで仲間と歓喜の輪へ加わった。「2年前とは違うんですけど、達成感もある。去年優勝を逃した時から、そこ(優勝)だけ見てやってきたので、素直に喜びたい」と表情を緩めた。

 この日は2点リードの八回に登板。先頭を出すも、中村奨を1球で併殺打に仕留めるなど無失点。これでNPB記録をさらに更新する48試合連続無失点。47イニング連続無失点となり、小山正明に並び球団2位の記録となった。

 “最強リリーバー”として君臨した石井。ただ、交流戦で悲劇に襲われていた。6月6日のオリックス戦(甲子園)で登板した際、頭部に打球を受け負傷退場。「脳振とう」と診断され、離脱を余儀なくされた。

 誰もが心配する中、考えていたことはチームのこと。交流戦で今季最長の7連敗を喫していたからだ。「しんどい時にいなくて申し訳ない。そういう(苦しい)時間ってすごく大事だと思うので、そのときにいられず何やってんだ自分はと」。誰も悪くない状況でも、自らを責めた。

 普段から「体を動かしていないと不安になる性格」と話す右腕。療養中もできる範囲で体を動かし、試合を見ることで頭も動かした。7月1日の巨人戦(甲子園)で復帰を果たすと、ファンからは大歓声が送られた。

 命の危険も感じたケガからの復帰。そこには支えてくれる家族の存在があった。「ずっと野球のことを考えちゃうけど、子どもの顔を見てる時だけは忘れられる。家族がいてくれての自分」。1歳になる長男を抱くのが一番の癒やしだ。シーズン中は休日でも練習に時間を割くため「できるだけ家族の時間も取りたいんですけど、妻の理解もあってやらせてくれている」と感謝した。

 プロに入ってから、登場曲はずっと同じアーティストの曲を使用している。同じ秋田出身で学生時代にフェスのバイトをきっかけで知った高橋優。その「HIGH FIVE」を使用している。「2年前から使ってて優勝したんで、験担ぎしてるんです」。この曲が流れればもう安心。そう思った虎党も多いはずだ。優勝へのアンセムが、3年越しで甲子園に鳴り響いた。

 ◆今季26度目の完封勝利 先発の才木が危険球退場で降板したが、湯浅、桐敷、及川、石井、岩崎が見事なゼロ封リレー。チームとして今季26度目の完封勝利を勝った。1シーズンの完封勝利数では、球団史上最多の32完封を記録した1965年(140試合制)、28完封の56年(130試合制)に次いで、26完封の40年(104試合制)と並び歴代3位タイとなる。

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