阪神・近本が完全復活 2戦連続マルチ&10戦ぶりセ単独トップ28盗塁 球児監督「足」たたえた

 「阪神6-1広島」(5日、甲子園球場)

 巧みな技と、見る者を魅了する足で勝利を呼び込んだ。これぞ虎のリードオフマン。阪神・近本光司外野手(30)が完全に復調した。“ミスタープロ野球”こと、長嶋茂雄を超えて、一夜明けても再びマルチ安打。本来の姿へとカムバックし、最後の直線を駆け抜けるだけとなった。

 1点を先制された直後だった。初回無死。いつものように、猛虎打線の切り込み隊長として打席に向かう。なぜか、ビハインドの空気は漂っていなかった。打席での雰囲気が相手先発の森を狂わせたのか。1球しかストライクを投げさせず、貫禄の四球で出塁した。

 続く中野は送りバントをしない。藤川監督は「いろんな可能性を含んだ作戦にしよう」と思考を巡らせた。しかし、2球で2ストライク。ここで左中間にかっ飛ばした。それを見て、近本は一塁から一気に三塁へ。1、2番の鮮やかなチャンスメークが一挙6得点につながったのだ。

 指揮官もたたえる。「近本の足と中野の粘り強さで、連係がつながったという感じになりましたね」。当たり前のように見えて、難しいこと。それをサラッとやってのけるのが、チームの強さであり、近本の貢献度の高さでもある。

 続く森下の適時打であっさりと同点。「とにかく先頭だったので。初回も(ホームへ)返ってこられたので良かったです」。リーグ2位の55四球で、同3位の67得点。安打数や盗塁数に目がいきがちだが、1番として必要なチャンスメークの力が数字に表れている。

 1打席目に仕事を果たせば、四回2死では左前打。ここも目の前で大竹が三振に倒れ、休ませる意味でも重要だった。七回には先頭で左腕の辻から左前打。すると、次打者・中野の3球目に10試合ぶりとなる二盗を成功させた。28盗塁は中日の上林を超えて、リーグトップに返り咲き。安打数との“2冠”に一歩前進した。

 マジックが「3」となっても、やることは変わらない。「しっかり頑張ります」。またいつものように、勝利だけに突き進む。

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