阪神・及川 セ・トップ56戦登板「状態のいい打者だった」プロ初4番で3安打岸田を空振り三振
「阪神3-2巨人」(30日、甲子園球場)
登場曲の「オセロ」が流れると、この回は大丈夫という雰囲気を漂わせる。阪神・及川雅貴投手が巨人打線に高い壁となって立ちはだかった。リーグトップの56試合登板も疲れを感じさせるどころか、切れ味抜群。「シーソーゲームだったので、六回以降をゼロでいけたのがデカかった」。涼しい顔で任務を完了した。
1点リードの七回。1番からの好打順だった。簡単に2死としたが、岡本に左前打を献上。ここでプロ初の4番に座り、3安打の岸田を迎えた。2球で追い込むと、最後は内角いっぱいに147キロの直球をズドン。「状態のいい打者だった。しっかり投げ切るというところでも良かった」。バットに当てることすらさせず、空を切らせた。
登板数もさることながら、42ホールドポイントと最優秀中継ぎ争いも繰り広げている。トップの巨人・大勢とは3差。「特に大事な時期になってきた。変わらず、自分の投球ができるように、しっかりと準備していくだけ」。目前に迫った優勝も、個人タイトルも意識はしない。やることをやった先に、栄光をつかむことができる。
今季はいくつものキャリアハイを更新。世間は“覚醒”とも言う。でも、それは違う。あれはまだシーズン序盤の頃。勝ちパターンの一角をつかみかけていた時だった。ふと、人生で一番、努力をした時期を聞いた。スーパー中学生と呼ばれ、横浜高校でもエース。そんなアマチュア時代を振り返ると思ったが、あっさりと即答された。
「今年でしょ。今年のオフが一番練習をした自信がありますね」
結果の裏には人知れず己と向き合った事実がある。石井の連続無失点がピックアップされるが、こちらも防御率は0点台だ。「及川って、いつも陰に隠れた存在だからね」。そう笑っていたが、脇役とは呼ばせない。リリーフで開幕から唯一、1軍で腕を振り続けているのだから。
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