阪神・糸原 いぶし銀V撃 今季初の適時打「なんとか結果が、めちゃくちゃ久しぶりですけど出て良かった」

 スタンドのファンの声援に応える糸原(中央)=撮影・北村雅宏
 6回、適時打を放つ糸原(撮影・田中太一)
 6回、適時打を放った糸原は森下に迎えられる(撮影・田中太一)
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 「阪神5-4中日」(19日、京セラドーム大阪)

 打球が落ちたのを見届け、感情を爆発させた。力強く手をたたいて思わずほえる。阪神・糸原が執念の一振りで試合を決めた。「1打席しかないし、1球しかないので。しっかりその中で結果が出て、チームが勝てたことが一番うれしい」。ようやく出た今季初の適時打が決勝打となり充実の表情を浮かべた。

 3-3の六回2死一、三塁。またとないチャンスに代打で打席へ。追い込まれながらも、低めに落ちるフォークをうまくすくい上げて右前に運んだ。昨年9月29日のDeNA戦以来となる適時打。「あの場面で使ってもらったので。なんとか結果が、めちゃくちゃ久しぶりですけど出て良かった」とうなずいた。

 今季は7月31日に2軍に降格。「必死こいて結果を出すだけ」とファームで懸命に食らいついてきた。若手とともに早出特打を行うこともあった。自身のことだけになるのではなく、周囲に助言を送り背中で見せた。その上でウエスタンで主にDHとして、4試合で打率・273の成績を残して1軍に返り咲いた。

 「自然に出ました」という熱い感情も、試合後の取材では冷静に言葉を紡いだ。「結果で返すしかない」。自身の立場を重く受け止めているからこそ、浮足立ってはいられない。「残りの試合、たくさんチームに貢献できるように頑張って生きたい」。思いを乗せた一打でチームの勝利に貢献する。

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