「巨人０－３阪神」（１６日、東京ドーム）

　無限の可能性を秘めた２１歳が、伝統の一戦で躍動した。スタメンに抜てきされた阪神・中川が、プロ初の３安打をマークして期待に応えた。「打たないよりは全然うれしいです。しっかり自分のスイングができた結果」と笑みが広がった。

　いずれも違う投手から安打を打って対応力の高さを披露した。二回無死一塁の場面では井上を相手に左前打。四回は先頭打者として菊地から左線二塁打、九回は新人左腕・宮原から右前打を放った。捕手登録の若武者は「ピッチャーの投げる球とか頭に入れて打席に入れている」と説明した。

　母校の奮闘も刺激にしている。京都国際が優勝した昨夏に続いて甲子園で２年連続の８強入りを果たした。「後輩に負けないように。高校が先行しちゃっている。自分も名前を売っていかないといけない。『いるんだぞ』っていうのを示していきたいなと思います」と表情を引き締める。

　大舞台で活躍を続けていけば、自然と存在感を示すことはできる。好調な打撃を「続けていきたい」と初々しく意気込んだ。