阪神 高橋遥人で虎60年ぶりシーズン24完封 「ストレートを投げ切れた」復帰後初中7日で五回まで完璧!7回0封快投2勝目
「広島0-2阪神」(13日、マツダスタジアム)
マウンドでの表情から一変し、お立ち台では優しい笑顔があった。復帰4戦目で初の中7日となった阪神・高橋が7回69球の省エネ投球で今季2勝目。「ストレートをしっかり投げ切れたんで、一番良かったです」。最速151キロの直球を中心にコイ打線を寄せ付けず、完全復活を印象づけた。
初回からテンポよく投げ進め、五回まで完全投球。ここまでわずか44球だった。完全試合や完封も頭をよぎりそうだが、目の前の打者だけに集中した。「ちょっと気持ち悪いなっていう感じはあった」。こういう時は初の走者を出した後が肝になる。
六回に先頭を出し、2死二塁となった。ここで中村奨に左前打を献上。1点を覚悟したが、高寺と小幡の素早い中継プレーに救われた。「守備に助けてもらって、本当にありがたいです」。七回もピンチを招いたが、本塁は踏ませなかった。
昨年の復活を遂げる前のリハビリ中、投球への考え方が変わった。「三振を取らないのも、やっぱりすごいんじゃないかなって」。三振を取れば味方のミスもないし、事は起こらない。でも、三振が少ないということは「ボールが前に飛んでるけど、投げ勝っているってことなんですよ」。深い理論だった。
この日は1球目から16球連続でストライク。6三振を奪ったが、ゾーンの中で勝負し続けた。「前に飛んでるけどアウトってことは、本当の勝負に勝ってるんじゃないかなって」。逃げ隠れせず、自信のある球で安打コースに打たせない。高橋が求めてきた理想に、また近づいた。
及川、石井と盤石リレーでつなぎ、今季24度目の無失点勝利。球団史上最多の32完封を達成した1965年以来、60年ぶりの快記録となった。復帰後最長イニングで、もう不安要素を感じさせない。これまで「貢献できてない」と言い続けてきた左腕が言った。「今日は少しでも力になれたかなと思います」。もう復活という言葉はいらない。進化していく過程を見せてくれるはずだ。
◆シーズン完封勝利メモ 鯉打線をゼロに封じて、チームとして今季24度目の完封勝利。1シーズンに24度以上の無失点勝利を記録するのは、球団史上最多の32完封を記録した1965年(140試合制)以来、60年ぶり。また、28完封勝利をマークした56年(130試合制)は、チーム防御率1.77と2リーグ分立以後、唯一の防御率1点台を達成している。さらにゼロ封Vを増やしていけば、69年ぶりの快挙が現実味を帯びてきそうだ。
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