阪神・藤川監督「支配下選手が一人誕生します。工藤泰成!」またサプライズ発表 157キロ育成ドラ1「はい!」背番号24
阪神・藤川球児監督(44)が6日、大阪市内のホテルで行われた恒例の「2025 阪神タイガース激励会」に出席し、育成ドラフト1位・工藤泰成投手(23)=四国ILp徳島=の支配下選手登録をサプライズ発表した。工藤は春季キャンプからアピールを続け、5日の中日とのオープン戦(甲子園)では最速157キロをたたき出す衝撃の聖地デビュー。午前中には西宮神社を参拝して必勝祈願した。
壇上の藤川監督が突然、切り出した。球団、阪神電鉄の計215人によどみなく感謝を述べた後、とっておきの“球児流”サプライズを披露した。
「今日は新たな発表があります。新たに支配下選手が一人誕生します。工藤泰成!」
会場が静まり返る中、工藤は「はい!」と立ち上がる。驚く23歳に、若き指揮官は優しいまなざしを向けてこう続けた。
「背番号は24とさせていただきます。横田の背負った番号でもあるし、同じ秋田出身で石井大智といろんな境地が似ているところがあると思う」
開幕投手を村上に託すと明かした2月26日に続く演出だった。
工藤は5日の中日戦で最速157キロをたたき出すなど1回無失点。衝撃の聖地デビューに藤川監督は「素晴らしいボールを投げている。この先一緒に戦いたいという、そういうような投球に見えた」と最大級の賛辞を贈ったばかりだった。
背番号24も期待の表れだ。23年7月に28歳の若さでこの世を去った横田慎太郎氏が背負っていた番号が2年ぶりに復活。さらに同じ四国ILp出身でドラフト8位入団から侍ジャパンに選出された石井のような活躍を願った。
秦オーナーに続いてマイクを握った藤川監督の言葉は力強い。開幕まで約3週間。春季キャンプ、オープン戦を戦い、チーム力に手応えを深めたのだろう。「まだまだチームの骨組みは決まっておりません。どんな戦いになるか想像がついておりません」。チームを作り上げる中、未知の部分を残しつつも、開幕ダッシュ宣言も飛び出した。
「選手たちの実力、それから意識の高さ、普通が普通のレベルを超えてくる。こういうチームになれば、開幕からいいスタートが切れるんじゃないかと思っています」
V奪還へ、決意を新たにした一日だ。午前中はコーチ、選手、球団関係者ら約150人と西宮神社へ必勝祈願。座右の銘である「球進一歩」としたためた絵馬を奉納した。帰り際、ポツポツと雨粒が落ちてきた。「吉兆ですね。雨降って地固まる。恵みの雨ですね」。吉井良昭宮司(73)の予言に、藤川監督は「みんなが健康であればいいですね」とほほ笑んだ。
7日からはDeNA、巨人と3連戦。全体練習では甲子園特有の浜風が吹く中、入念に外野守備をチェックした。「工藤支配下」という刺激を入れ、チームの士気はグッと高まった。“球児流”を貫き、シーズン開幕への準備を進めていく。
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