「教育リーグ、阪神２－６オリックス」（５日、日鉄鋼板ＳＧＬスタジアム）

　舞い込んできたチャンスを自らの手でつかみ取った。阪神のドラフト１位・伊原（ＮＴＴ西日本）が、教育リーグ・オリックス戦で２回１安打無失点、最速１４５キロと上々な投球を見せた。当初は伊藤将が先発予定だったが、ビーズリーの体調不良により、伊藤将が甲子園に移動。伊原がプロ初の先発マウンドに立った。

　初回から安定した投球を見せた。オリックスの１番はドラフト１位・麦谷（富士大）。３球で追い込むと、４球目に力なく上がった打球はファウルゾーンで三塁・アルナエスのグラブに収まった。見事に“ドラ１対決”を制すると、後続も断ち切り三者凡退に。スタンドの虎党からはどよめきが起こった。

　二回は２死から二塁打を浴びるも、要所を締めて無失点で切り抜けた。「初めは非常に大事」。社会人時代から立ち上がりを意識するスタイルを続ける。変化球もさえ渡った。「スライダーが今まで以上に、打者の反応も悪くなかった」。左腕はキャンプでの取り組みに手応えをにじませた。

　開幕ローテ争いも激化する。結果を聞いた藤川監督は「バランスが良かった。２７球で２回投げてきているのは楽しみ」と今後のオープン戦での先発起用の可能性を示唆。この日は開幕ローテ入りを狙うデュプランティエや伊藤将が結果を残せなかった。「とにかく開幕１軍を目標に、一生懸命に」。真価を発揮したルーキーがさらにアピールを続けていく。