「オープン戦、楽天７－７阪神」（２２日、金武町ベースボールスタジアム）

　ドロー発進も阪神・藤川監督は満足げだった。森下を除くベストオーダーで臨んだオープン戦の初戦。「みんながしっかりと準備をしてゲームに入っている。相手に差し込まれることなく、攻撃中も仕掛けていけたので、非常に良かった」。ナインの躍動に目を細め、収穫を強調した。

　新打線から攻撃の形が見えた。三回は１死一塁から佐藤輝の右前打で好機を拡大。大山の適時打で先制し、前川の３ランで４得点。主力だけでなく、途中出場した若手の井坪、高寺も結果を残し、アピールに成功した。

　「切磋琢磨（せっさたくま）して、お互い高め合って。１年間は非常に長いので。チームワークもとれてきている。（チームを）作り上げている段階です」

　試合中、藤川監督は三塁ベンチ左奥に腰かけ、サングラス越しにナインの躍動を見守った。「みんなが荒々しくグラウンドで暴れ回っている姿を見てもらいたい」。帰り際、球場外は虎党の熱気に満ちていた。新指揮官は大声援を全身で受け止め、バスに乗り込んだ。