阪神・佐藤輝 進化の1号“アレネット”越えた特大120メートル 藤川監督「かみ合いつつある」
「阪神紅白戦、白組3-5紅組」(9日、バイトするならエントリー宜野座スタジアム)
阪神の佐藤輝明内野手(25)が9日、紅白戦の第1打席で近大の先輩・畠世周投手(30)から、右翼へ推定120メートルの特大弾を放った。これが藤川阪神、個人としても“今季1号”となった。さらなる進化を目指し、オフから打撃改革に取り組む大砲が結果で示した。
乾いた打球音とともに佐藤輝はスタンドインを確信した。その場から一歩も動かず、降りしきる雨を切り裂く打球を見守った。豪快な一振りに宜野座は一瞬の静寂の後、大歓声に包まれた。
「結果は別にして、いいスイングで打てました。先輩から打つことができて、ちょっとやったあって感じです」
真っ向勝負に打ち勝った。初回1死一塁。2球で追い込まれたが、ファウルで粘った。「いい球だったので、あれをはじき返すのは難しかった」。徐々にタイミングをつかむと、最後は昨季まで苦手とした内角直球を仕留めた。「アレネット」を悠々越える特大アーチ。笑みを浮かべながら、ゆっくりとダイヤモンドを一周した。
取り組みが形になってきている。オフは「効率よくボールを捉えられるように」とコンタクト率を上げるため、打撃フォームの修正を図った。ドジャース・大谷翔平も練習に取り入れるクリケットのバットも使用。不調時に左肩が下がり、バットが遠回りする癖を直そうと懸命に練習に取り組んだ。
キャンプに入ってからも糸井臨時コーチ(デイリースポーツ評論家)に指導を受けるなど、課題と向き合い続けた。「結果は別として、しっかり練習でやってきていることはできている。順調かなと思います」と手応えを口にした。
藤川監督の目にも、確かな成長は映っていた。「取り組み通りでしょうね。秋からやってきているそのままで。考え方、メンタル等々がかみ合いつつある」と絶賛。「そういった部分で心強い存在。今日まですごく順調」とうなずいた。
ライバル球団も驚きの一発だ。視察に訪れていた巨人・真田スコアラーは「えぐい。完璧じゃないですか。飛距離も相当出てたでしょ。フリーバッティングから逆方向を意識していて、元々どっちにもホームランを打てるバッターですから」と警戒した。
実戦で結果として表れたが、佐藤輝に一切慢心はない。「タイミングの取り方だったり、実戦もどんどん増えてくるので、しっかり試せたらいいです」。V奪還へ欠かせない虎の大砲が、進化を続けている。
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