３日に脳梗塞のため、９１歳で死去した阪神ＯＢ・吉田義男さんの通夜が７日、兵庫県西宮市内で営まれた。球団ＯＢの真弓明信氏（７１）、木戸克彦氏（６４）、桧山進次郎氏（５５）、今岡真訪氏（５０）らが弔問に訪れて別れを惜しんだ。また、巨人の長嶋茂雄終身名誉監督（８８）、ソフトバンクの王貞治球団会長（８４）らからの花も供えられた。

　冷たい雨が降る中、１３０人の関係者が弔問に訪れた。開始前には約５分間、吉田さんの選手、監督時代や家族との思い出の写真がスライドショーで流された。

　１９８５年に球団史上初となる日本一を、吉田監督の下で経験した真弓氏は「とにかく元気だった。よくゴルフをしていたしびっくりしました」と驚いた様子。「優勝したことと（外野への）コンバートの話をされたこと」を思い出に挙げ「お世話になった。ありがとうございました」と感謝を口にした。

　同じく８５年の優勝メンバーである木戸氏は「１００歳まで生きると言ってたからね。残念」と率直な心境を語った。「吉田さんに使ってもらって優勝して、感謝しきれません」と言葉を紡いだ。

　桧山氏はレギュラーを奪取し、プロの世界に慣れてきた時に、吉田監督と出会った。「野球を甘く見るなと厳しい言葉も言われた」と、怒られた記憶が最初に浮かぶという。「僕と新庄はもっとできると歯がゆかったと思う」と期待されていた若き頃を振り返り「負けん気の強さが半端じゃない。だからあの小さな体で、タイガースのショートをはれたと思う」と尊敬の念を口にした。

　過去にフランス代表監督を務めた経験もあり、海外からの参列者の姿も。野球振興に大きく貢献してきた虎のレジェンドが、多くの人に見守られながら旅立った。