阪神・藤川球児監督（４４）が３１日、那覇空港着の航空機で沖縄入りし、チーム宿舎で行われたキャンプ前日ミーティングで「選手が最もリスペクトされるべき」と力説した。オフ期間の選手の仕上がりにも満足感を漂わせ、自身のキャンプでのテーマを「チームを一つにまとめていく作業」と設定した。２年ぶりリーグ優勝、日本一へ、新生・藤川阪神が心を一つにして動き出す。

　あふれんばかりのリスペクトを“火の玉メッセージ”に詰め込んだ。宜野座組、具志川組の選手全員が集合したキャンプ前日ミーティング。会場に独特の緊張が走る中、藤川監督は熱く訴えた。

　「選手たちを一番リスペクトしなければいけない。最も尊敬されるべき存在であると僕は思う。自分としては、全面的に見守るというかね、リスペクトしてるんで。そういう目でみんなで行くよというところです」

　今年は球団創設９０周年のメモリアルイヤー。偉大なレジェンドに敬意を示しつつ、主役はファンの前でプレーする現役選手と力説した。

　このオフの過ごし方はリスペクトに値するものだった。選手の自主トレ中の動きは映像でチェック。「１１月からしっかりとやってくれて大きな故障者もいない。自分と向き合う時間を丁寧に扱ってくれた。非常に満足できるオフ期間でした」。一つの準備段階を終え、仕上がりに納得顔だ。

　２１日のスタッフミーティングでは、今キャンプのテーマを共有。選手には「没頭」を求め、チームとしては「凡事徹底」を掲げている。監督としては「チームを一つにまとめていく作業」に設定。昨秋と同じようにコーチだけでなく、グラウンドでは選手とコミュニケーションを図っていく。

　一方で「休む時はみんなで笑って、楽しみながら休んでもらえたら」とも提案した。昨秋キャンプで食事会場の雰囲気に違和感を覚えたという。「つまらなそうに食事してたんでね。そういうところは変えていきたいというか」。今キャンプでは若手選手に宿舎での食事を推奨し、外食を届け出制とする方針を打ち出している。

　米大リーグの若手有望株も球団に徹底管理されていることも例に挙げた上で「特に制限したつもりはない」と強調。「信用のおける先輩もいるだろうし。投手会、野手会では先輩の話を聞きに行けばいい」。みんなでワイワイ楽しく。メリハリをつける“球児流キャンプ”で、チームの雰囲気を変えていく。

　昨夜はワカサギ捕りに夢中になったという。「監督というか、人間として楽しませてもらっています」。指揮官として初めて迎える「２・１」も気負いはない。リスペクトしてやまない選手たちとともに、沖縄での１カ月を駆け抜ける。