一発勝負の経験値高い-阪神・中野「思い切ってやるだけ」過去2度のCSファーストSで高打率

 阪神は12日から「2024 JERA クライマックスシリーズ セ ファーストステージ」を戦う。ポストシーズンに活躍する選手の代名詞「ミスター・オクトーバー」になるのは誰か。トラ番記者がイチ推し選手を紹介する企画の第3回は、過去2度のCSファーストSで高打率の中野拓夢内野手(28)を取り上げる。

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 シーズンの成績はもう関係ない。ポストシーズンはチームの勝利だけが求められる。中野にとっては選手会長として戦った一年。「思い切ってやるだけ。今まで以上の実力を出そうと思っても出るわけじゃない。楽しんでやれれば」。最後に笑うため、自分の力を最大限に出すと誓った。

 短期決戦では結果を残している。CSファーストSでは新人だった21年に8打数3安打で打率・375。22年も12打数6安打で打率・500と活躍した。「たまたまです」と笑ったが、一発勝負の経験値は高い。

 高校、大学、社会人と負ければ終わりの試合を何度も戦い、プロの世界へ。「社会人はすごく緊張感のある予選を経験した」。昨年3月にはWBCで日の丸を背負い、世界一にもなった。「負けたら終わりという、プレッシャーがかかった方がいい」。幾度の重圧がメンタルを強くしてきた。

 レギュラーシーズンでは過去4年で最低打率と苦しんだ。それでも、チーム唯一の全試合出場。守備での貢献度も計り知れない。「数字的には残ったものはゼロになる」。負のデータを引きずることはない。心も体も、そして頭もリセットして短期決戦に向かうことができる。

 岡田監督の退任も発表された。「監督をもう一度、胴上げできるように」と結束も強くなっている。気候も秋らしく涼しい風がようやく吹き始めた。「本当に勝つことだけを考えてやりたい」。一戦必勝の精神で、選手会長が最後の直線を駆け抜ける。(デイリースポーツ・今西大翔)

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