【糸井嘉男氏の眼】阪神・前川の守備 今ミスが出て良かった

 「オープン戦、阪神2-5ヤクルト」(9日、甲子園球場)

 阪神は2日連続でミスから勝ち越しを許し、オープン戦開幕8連敗となった。前川右京外野手(20)は先発フル出場で適時二塁打を含む2安打。守備でもフェイクプレーで追加点を阻止した。デイリースポーツ評論家の糸井嘉男氏はスイングのレベルの高さを評価。守備に関しても「今、ミスが出て良かった」と逆転負けのきっかけとなった8日のヤクルト戦での失策を前向きに捉えた。

  ◇  ◇

 前川選手はナイスバッティングでした!春季キャンプでもスイング、打球を一目見たら、いい選手だと分かりました。

 ここまでオープン戦の成績(打率・188)は納得できるものではないかもしれないですが、スイングのレベルはすごく高い。今日も低めの変化球をヒットにしました。対応力がありますよね。まだ二十歳でしょう?信じられないぐらいです。

 最近は外野守備のミスを指摘されていますが、甲子園の外野守備は正直難しい。浜風が吹く中、屋外球場の天然芝で、クッションボールの処理も難しいんです。経験した者でないと分からないものがあります。

 ただ前川選手も今、ミスが出て良かったんじゃないでしょうか。課題と向き合って、これからどうしたらいいか自分で考えますからね。今日は右翼守備でいいプレーがありました。四回、バックホームで走者を刺した場面もカットマンまでナイスボールです。ミスして反省して、克服していってほしい。オープン戦だけじゃなくて、シーズンに入っても課題は出るものですからね。二十歳なんだから、すぐに成長しますよ!

 今、前川選手は開幕に出ることを目標にしていると思います。毎日が戦いかもしれませんが、シーズンを通して1年間、ポジションを守り抜くという高いモチベーションでやってほしいですね。5年、10年…とその積み重ねが、レギュラーにつながっていくはずです。

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