連覇を目指す阪神の伸びしろはどこに?「佐藤輝のどん欲な姿勢」「3、6、7番を固めることができれば」評論家が野手陣を分析

 2024年シーズンで球団史上初の連覇を目指す阪神。今オフは大きな補強もなく、野手陣に関しては現有戦力のレベルアップで底上げを図ることになる。伸びしろが考えられるポイントとは-。阪神、広島、オリックスでコーチを歴任したデイリースポーツ評論家・岡義朗氏は二つの要素を挙げる。

 一つ目は佐藤輝の姿勢だ。今オフ、ハワイV旅行を途中で切り上げ、米シアトルへと赴いた。大谷翔平らもトレーニングを行う「ドライブライン・ベースボール」で動作解析を行い、「体の使い方的に、しっかり股関節使えていないとか、何カ所かありました。自分のシーズン中の感覚と、『そういうことなんだな』ということはありました」と成果を語っていた。

 この姿勢に岡氏は「すごく良いことだと思う。野球に対してどん欲になっている証じゃないか」と評した。「自分の打撃に興味が出ている証拠だと思うし、チームの中でそういう雰囲気があるんだと思う。特に近本は職人タイプの気質で、いろんなことを取り入れ、前向きにこだわり続ける選手。佐藤輝自身も自分にとっていいと考えてアメリカに行ったわけでしょ。そういう姿勢というのはチームにとって大きなプラスになる」と言う。

 過去にもプロ野球では1人の選手が懸命に取り組む姿を見せることで、2人、3人と感化されていくケースがあった。それが5人、6人、そしてチーム全体と波及することで、近年ではリーグ3連覇を果たした広島のような黄金期へとつながっていく。

 「だからチームとしてはすごくいい傾向じゃないかと思う。近本、中野がいて、大山がいて、佐藤輝が2割8分、30本を打てるような選手になれば大きなプラス要素になる。その過程としてみられる変化は、すごくいいことじゃないかな」と岡氏。もう一つ、伸びしろとして指摘したのが、3番、6番、7番の打順だ。

 最終的に日本シリーズでは新人の森下が不動の3番となったが、シーズンでは固定できなかった。6番はノイジーを含めた左翼の選手でまかなうケースが多かったが、助っ人も含めて満足できる結果だったとは言いがたい。そして捕手2人の打順となった7番。梅野は開幕から不振にあえぎ打率・194、坂本は打率・226。守備優先のポジションとは言え、ここの底上げができれば、打線はさらに厚みを増す。

 「3、6、7番のところがしっかりと結果を残すようにできるか。どういう選手が成長してきて、そこに入るかもキャンプの焦点になるんじゃないかな。森下もそうだし、外国人もそうだし。岡田監督は『打線を変えないといけない』という話をしていたと思うけど、近本、中野、大山、佐藤輝、木浪といった固定メンバーがいる中で、その三つの底上げを図ることで十分な上積みになると考えられる」

 ドラフトを見ても即戦力野手の補強はなかったが、育成から支配下登録に切り替わった野口などがどうレギュラー争いに絡んでくるか-。開幕まで注目を集めるポイントとなりそうだ。

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