阪神・湯浅「もう一回」守護神に 想定外の現状維持「ありがたい」 球団への恩は九回のマウンドで返す
阪神の湯浅京己投手(24)が21日、西宮市内の球団事務所で契約更改交渉を行い、現状維持の4700万円でサインした。昨季から44登板減と大幅に成績を落とした中で異例とも言える査定に感謝。来季は守護神に返り咲き、タイトル獲得を目指すことを誓った。また、この日で阪神の全選手の契約更改が終了。リーグ優勝と日本一も達成した中で、全体的に大幅アップが目立った“暖冬更改”となった。(金額は推定)
球団からの粋な査定に湯浅の表情は一層、引き締まった。悔しさが大半を占めた今季。本人も想定外で、異例とも言える現状維持の評価を受けた。
「下がるかなと思っていましたけど、維持にしていただいてありがたいなという気持ちです」
WBC日本代表に選出されて開幕守護神の座をつかむも、不調で6月に2軍落ち。その後は右前腕の筋挫傷、左脇腹の筋挫傷と負傷に見舞われ、ブレークした昨季59試合登板から、大幅減となるわずか15試合の登板でシーズンが終了した。
減俸が妥当とみられていたが、嶌村球団本部長は「総合的に1年間を見たうえで、そういうふうにさせていただいた」と理由を説明。シーズン中の湯浅の活躍は物足りない結果だったが、オリックスとの日本シリーズ第4戦では左脇腹の筋挫傷から復活し、同点の八回2死一、三塁で登板。1球で火消しに成功し、38年ぶりの日本一に貢献した。
「日本シリーズで球場の雰囲気を変えたとか、あれは査定には入っていないんですけど。当然それも含めて1年間トータルで判断した」と同球団本部長。期待料は含まず、純粋に結果を評価した上での査定となった。
ただ、湯浅自身が納得できないシーズンであったのは確か。現状維持の評価に甘えることはない。「今年本当に悔しい思いをしたので、もう一回(クローザーを)やりたいという思いが強いです」と来季の守護神返り咲きを宣言した。今季は代わりに抑えを務めた岩崎が、セ・リーグの最多セーブのタイトルを獲得。「もちろんやっていく中でタイトルを狙いたい。取れるように頑張ります」と先輩の背中を追う決意を示した。
12月上旬には渡米して動作解析を行うなど、現在は1年間フル回転するための準備を進めている。来年1月にも再渡米し、練習を行う予定だ。「来年こそ1年間、1軍でチームの力になれるように」。今季の借りは九回のマウンドで返すしかない。
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