阪神・湯浅の奇跡 聖地が揺れた!しびれた!連夜、勝利の女神振り向かせた「絶対抑える気持ちで」

 「SMBC日本シリーズ2023、阪神タイガース6-2オリックス・バファローズ」(2日、甲子園球場)

 またしてもこの男の快投が勝利を呼び込んだ。2点ビハインドの八回に阪神・湯浅京己投手(24)がオリックス打線を三者凡退に斬り、直後に打線が爆発して逆転勝利を決めた。第4戦では6月15日以来の1軍登板ながら、わずか1球で火消しに成功してサヨナラ勝ちにつなげた右腕。帰ってきた“アツアツ”の背番号65が、チームに勢いをもたらし続ける。

 頂点へ駆け上がるためのラストピースだったのかもしれない。美しいフォームから放たれる白球に、多くの虎党が夢を乗せる。劇的な逆転勝利で決めた日本一王手。湯浅が、またしてもチームに流れを呼び込んだ。

 「2-0で負けていて。でも、出てきた時の歓声がすごくて。力ももらいながら、絶対3人で抑えるという気持ちでマウンドに上がりました」

 身震いするほどの大声援が、大逆転への合図だった。2点ビハインドの八回にマウンドへ。まずは先頭・ゴンザレスは二ゴロに打ち取ると、紅林は151キロ直球で空振り三振。続く若月も連続の空振り三振に斬り、オリックス打線を初回以来の三者凡退に封じた。

 最速152キロも計測したが、「マウンドに上がったら感覚どうこうと言うよりもゼロで抑えることが一番」ときっぱり。「ブルペンで勝ち切ろうって思いながらマウンドに上がっていますし、3人で抑えて良い流れを持ってこようと投げました」と胸を張った。チームは直後に一挙6得点で大逆転。言葉の通りに勝機を呼び寄せた。

 連夜のキーマンとなった。1日の第4戦では、同点の八回2死一、三塁という大ピンチで登板し、初球直球で中川圭を二飛に。劇的なサヨナラ勝利を呼び込むきっかけとなった。同戦が約4カ月半ぶりの1軍登板だったが、不安はなかった。

 「打たれることは一切考えてない。正直、WBCのメキシコ戦を経験してるからこそ、あの場面で行っても(問題なかった)。(WBCは)完全アウエーで投げてたので」。同戦では、1点ビハインドの八回1死一、三塁で登板して1失点。悔しくも、価値ある世界での経験が、大舞台での力となった。

 あと1勝。「本当に、少しでも力になれるよう腕を振るだけ。変わらず、あさって(4日)からも切り替えて頑張りたい」。世界一の頂に比べれば、日本一は劣るだろうか?いや、かけがえのない仲間と見る頂点の景色は、何よりも美しいはずだ。

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