【藤田平氏の眼】意表を突いた五回佐藤輝の二盗
「SMBC日本シリーズ2023、オリックス・バファローズ0-8阪神タイガース」(28日、京セラドーム大阪)
阪神打線が山本由伸投手(25)から7点を奪い、六回途中KOした。デイリースポーツ評論家・藤田平氏は0-0の五回をポイントに挙げ「五回に生きた」初回の攻撃を評価した。
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阪神は攻撃面では0-0の五回がポイントだった。先頭の佐藤輝が中前打を打った後、続くノイジーの初球に二盗を決めた。通常なら打者に任せていい場面だけに、相手のベンチやバッテリーは想定していなかったのでは。意表を突いた二盗で試合を動かしたことが先制点につながった。
岡田監督は初回1死一塁の打者・森下の場面でも、一走・中野にスタートさせている。結果は三振ゲッツーに終わったが、相手先発が山本だし、早く先制点がほしいというのがあったと思うし、次の仕掛けへ向けて相手捕手の肩の強さを測ったんじゃないかと感じた。これが五回に生きたと思う。
投手陣は完封リレー。村上の好投に尽きる。先制してもらった直後の五回に先頭・森に初安打を許して1死一、二塁としたが、ゴンザレスに粘られながらも10球目に内角の厳しいコースへ直球を投げ込んで打ち取った。思い切って内角を突ける制球力と球威を、大舞台でも見せてくれた。
シーズン中から感じていたことだが、村上はマウンドで汗をかかない。スタミナがあるということだし、この試合もそれだけ余裕があったのだろう。日本シリーズ初戦で相手先発が山本なのに、村上の方が山本よりも貫禄を感じさせる投球だった。
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