阪神・近本 ダメ押しの中前2点打を生んだ驚異的な思考力 状況、配球、スイング すべてをイメージし結果へ

 5回、2点適時打を放ち、塁上で喜ぶ近本(撮影・高部洋祐)
 5回、2点適時打を放つ近本(撮影・田中太一)
 お立ち台で村上(手前)をいじる近本(右)。中央は森下(撮影・中田匡峻)
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 「JERA CSセ・ファイナルS・第1戦、阪神タイガース4-1広島東洋カープ」(18日、甲子園球場)

 まさに計算し尽くされたダメ押しタイムリーだった。五回、村上の一塁線を破る適時二塁打で勝ち越し、なおも二、三塁の場面。甲子園のスタンドが歓喜に沸く場面でも近本は冷静に状況を整理した。

 打席に入る前に内外野の守備位置を確認し「(内野が)前進していたんでとにかく外野まで。外野フライOKなんで」とまずテーマを設定し、次に相手バッテリーの配球を検討。「絶対インコースは突っ込んでくるだろうけど、そこを反応するか、外を反応するか。甘いところを狙いながら、外を広めにいこう」。さらに「タイミングが合わないと距離が出ないんで。いいタイミングで、良いポイントで打とうという感じでした。別にゴロでも強い当たりならいい」とスイングのイメージを体に植え付け、打席に立った。

 初球、インサイドのスライダーをきっちり見逃した近本。続く2球目、外寄りの132キロをきっちり捉えた。打球は痛烈なゴロとなって二遊間を破る2点タイムリー。一塁塁上では表情を崩さず、淡々と仕事を遂行した“仕事人”のようにも映った。

 スタンドの歓声を聞きながら「最初は盛り上がっているなと思いましたが、試合進むにつれて、いつものような甲子園だなと思いながら打席に立ってましたね」と平常心を持って負けられない戦いに臨んでいた近本。お立ち台で「森下がもっと緊張するような声援を下さい!」と呼びかけいていたのも、自らに確固たる自信があるからだろう。

 セ・リーグで新人から5年間で歴代最多安打を放っている近本。短期決戦の舞台でも見せた打席へ向かうまでの準備、思考、そしてスイング。一流打者として技術の高さを見せつけるようなタイムリーだった。

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