阪神・高山に戦力外通告「いい思い出も悔しい思い出も」 15年ドラ1の元新人王「現役でやりたい」

 阪神は3日、高山俊外野手(30)ら8選手に対して戦力外通告を行った。高山は15年度ドラフト1位で入団し、16年に新人王を獲得した。ファンの心をつかんで、一気にスター街道を駆け上がったかに思われたが、2年目以降は出場機会が減少。かつての輝きを取り戻せないまま在籍8年でチームを去ることになった。野球にかける思いは変わらず、現役続行を希望した。

 ルーキーイヤーの目覚ましい活躍を虎党の記憶に残して、タテジマに別れを告げることになった。高山は甲子園球場の球団事務所を訪れ、仲間や関係者にあいさつした後、報道陣の取材に対応。「本当にいい思い出もありますし、悔しい思い出もあります」と阪神での8年間を総括した。

 15年のドラフトで阪神と競合したヤクルト・真中監督(当時)が、外れくじを当たりと勘違いしたハプニングからプロ生活の幕が開けた。入団1年目の16年開幕戦でスタメンデビュー。シーズン136安打で当時の球団新人記録をマークし、打率・275、8本塁打、65打点で新人王に選出された。虎の未来を担う存在だとファンの期待を集めたが、2年目以降は思うような結果を残せなかった。

 今年は春季キャンプを1軍でスタートさせて、岡田監督のもとで不退転の覚悟を示したが、開幕1軍はかなわず。そのまま2軍暮らしが長引いて、21年に続いて自身2度目の1軍出場なし。2軍では92試合に出場し、打率・249、9本塁打、37打点だった。

 「キャンプから今年にかける気持ちは強かったんですけど。1年間ファームでいろいろ考えながらやってたので、結果に結びつかなかったのは悔しいですけど、レベルアップはできたと思います」。無念さをかみしめつつ、前向きな言葉も紡いだ。「現役でやりたい気持ちはもちろんあるので。練習を続けていきたいなと思いますね」と現役続行を望んで、覚悟を決めた。

 自身の意志をチームメートに伝えた時も「さみしい感じの話じゃなかったし、明るい感じと僕は受け取ってます」と勇気づけられた。明大時代からの同僚で同期入団の坂本には、選手で唯一、前日のうちに退団を伝えたという。「『またいつでも会えるし、頑張ろうな』と話しました」と絆の強さをのぞかせた。

 関東で生まれ育ちながら、甲子園を本拠地に熱き猛虎魂を胸に宿して、8年間戦った背番号9。まだまだプロ野球人生を終わらせるわけにはいかない。次のステージも自らの力で切り開き、白球を追いかけていく。

 ◆高山 俊(たかやま・しゅん)1993年4月18日生まれ、30歳。千葉県出身。181センチ、87キロ。右投げ左打ち。外野手。背番号9。今季推定年俸2100万円。日大三から明大を経て、15年度ドラフト1位で阪神入団。プロ1年目の16年3月25日・中日戦(京セラドーム=開幕戦)で初出場初先発(1番・左翼)。新人王(16年=球団史上8人目)。

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