阪神・村上 防御率タイトル決定的1・75 江夏超え!球団48年ぶり1点台で規定投球回クリア

 力投する村上(撮影・高部洋祐)
 5回、岡林を打ち取り笑顔を見せる村上(撮影・飯室逸平)
 5回、右前打を放つ村上(撮影・立川洋一郎)
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 「中日ドラゴンズ2-1阪神タイガース」(25日、バンテリンドーム)

 阪神・村上頌樹投手(25)が5回を5安打3奪三振2失点にまとめ、自身初のシーズン規定投球回に到達した。防御率を1・75とし、最優秀防御率のタイトル獲得も確実な状況だ。防御率1点台での規定投球回クリアは、球団では48年ぶりという快挙。大ブレークを果たした右腕が自身初のタイトルを携えて、ポストシーズンへ挑んでいく。

 充実感と悔しさが入り交じった表情で、取材エリアに現れた。手にした先発投手としての誇り。自身初の規定投球回に到達した村上だが、試合後は反省の言葉が並んだ。

 「才木を見て感化されましたし、ああいうピッチングがしたかったんですけど…」

 前夜、画面越しに見た同級生右腕の投球に震え立った。スコアレスドローとなった24日・中日戦で、才木が10回130球無失点の熱投。刺激を受けたあまり「変に力が入って、いつもの感じで投げられなかった」と自然と力みが生じていた。

 1点の援護をもらった直後の二回だ。1死から石川昂に中前打、続く木下に左中間フェンス直撃の二塁打を浴びて、1死二、三塁とピンチを招く。続く龍空に中前へのポテンヒットを許し、逆転の2点適時打を献上した。「甘くいったり、しっかり決めきれなかったり、狙い通りの球がいかなかった」と反省。チームの勝利を何より思う男だからこそ、納得ができなかった。

 それでも、三回以降は相手打線を1安打に封じた。四回1死一塁で石川昂を初球直球で右飛に仕留め、今季143イニング目をクリア。5回2失点で、今季最終登板を終えた。

 リーグ1位の防御率は驚異の1・75でフィニッシュ。同2位のDeNA・東は現在2・13と逆転は難しく、最優秀防御率の獲得は確実な状況だ。規定投球回をクリアした球団投手でシーズン防御率1点台は、1975年・安仁屋宗八(1・91)以来、48年ぶり。虎史上初となる、新人王とのWタイトルも現実味を帯びてきた。

 天国の恩師も見ていてくれるはずだ。「小学校から基礎は変わってない」という投球フォーム。作り上げてくれたのは、野球を始めた賀集少年野球クラブの監督で、昨年他界した久米守さんだ。「とにかく上から投げろと。肘が下がっていたら、よく怒られました」。投げて、投げて、体に染みこませた村上の宝物だ。

 激動の1年はまだ終わらない。「この経験を自信にして来年もやっていきたいと思いますし、クライマックスシリーズもあるので、また誠志郎さん(坂本)と話し合いながらやっていきたい」。課題の数だけ進化してきた。最高のフィナーレは、まだ少し先だ。

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