【佐藤義則氏の眼】常に自分のスイングができる森下

 「中日ドラゴンズ2-8阪神タイガース」(5日、バンテリンドーム)

 阪神・近本光司外野手(28)に代わって1番に入った森下翔太外野手(23)がマルチ安打で打線をけん引。チームは4連勝で優勝マジックを「14」とした。デイリースポーツ評論家・佐藤義則氏(68)は「常に自分のスイングができる」と代役1番打者で活躍した森下を称賛した。

  ◇  ◇

 阪神の勢いを感じさせる勝ち方だった。序盤のチャンスをことごとくものにして四回までに8得点。だれかが安打や四球で出塁すると、全員がイケイケモードでつながっていく。今季を象徴するような点の取り方だった。

 1番に入った森下は2度のチャンスメーク。彼の良さは、どの打順、どんなカウントになっても、常に自分のスイングができるところ。甘い球をしっかりと安打にできる技術も備わってきた。近本の代わりに1番を任されたことも、周りが思うほど本人は意識していないと思う。チャンスをもらって、がむしゃらにプレーしているだけじゃないかな。

 佐藤輝もバットがよく振れている。4番の大山が四球で歩いた直後、5番の佐藤輝が安打で続くという理想的な形ができていた。2安打がともに左投手からというのも収穫。安打が出ることで、もっとスイングも良くなっていくだろう。

 選手は伸び伸びとプレーしていて、優勝の重圧もまだ感じていない。バットが振れなくなったり、腕が振れなくなってくるのは、マジックが一桁になってからだと思うよ。

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