“得点圏の鬼”阪神・近本 自己最多51打点 三回一挙6点劇導き「やることをしっかりやっただけ」
「東京ヤクルトスワローズ5-6阪神タイガース」(2日、神宮球場)
大歓声を体で受け、悠然と歩いた。三塁側から左翼席まで、虎党ですき間なく埋まっている。「ナイスバッティング!」。猛攻を呼び込む一撃は阪神・近本光司外野手(28)のバットから飛び出した。
「何とか1点という場面だったので。その後の結果は、その後の人らが頑張ったので。僕は僕のやることをしっかりやっただけ」
2点を追う三回。2死二塁の好機で打席を迎えた。カウント2-2から6球目、ピーターズのスライダーに反応。コンパクトなスイングで右前に運び、1点を返した。
これで打点は20年にマークした50打点を更新する自己最多の今季51打点目。選手会長の一打で1点差に迫ると、打線が奮起した。この回、佐藤輝の3ランが飛び出すなど、打者10人で一挙6得点。試合をひっくり返し、主導権を奪い返した。
今シーズン、勝負強さが際立っている。得点圏打率はリーグトップの・402。走者を置いて打席を迎える際、近本はその心境を「下位(打線)から作ったチャンス。しっかり1点ずつ取るというのが大事」と明かした。
プロでは切り込み隊長を務めるが、社会人・大阪ガス在籍時には、ポイントゲッターとして5番を任されるなど中軸を担っていた。「打点というよりも、そこでヒットを打つ。つなぐ意識。ヒットを打って、点が入らなくても仕方がないと思う」。得点圏に走者がいても結果だけに左右されず、自らのバッティングを心がけることが結果にも結びついている。
18年ぶりのアレへ向けて正念場となる9月。チームは2連勝を飾ったが、まだまだ油断はできない。「どんな9月になるのか楽しみですね」と近本。頼もしい選手会長が先頭に立ち、必死にチームを支える。
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