阪神・村上 成長の8勝 “運命の一戦”から135日 圧投6回9K1失点で東京D初星
「読売ジャイアンツ1-8阪神タイガース」(25日、東京ドーム)
その表情には自信がみなぎる。“運命の一戦”から135日。プロ未勝利だった若虎が、ローテの柱として敵地のマウンドに舞い戻った。4月12日・巨人戦以来となる東京ドームで、阪神・村上頌樹投手が今季8勝目をつかんだ。
「ここ最近、巨人打線も上がってきていたので、丁寧に投げようと意識しました」
最大のピンチでも、心は冷静だった。三回に味方失策から1点差に迫られると、2死から秋広と岡本和に連続四球を与えて満塁の危機。それでも、続く坂本をカウント1-2とテンポ良く追い込むと、外角カットボールで見逃し三振に。「1打席目の感じを見て、自分に合ってないなという感覚だったので、いけるなと」。傷口を最小限にとどめ、雄たけびを上げた。
今季初先発した同戦では7回完全投球。一躍その名を球界に知らしめることとなった。あれから約4カ月-。プロ2度目の伝統の一戦で6回3安打1失点(自責0)、9三振の好投を見せて4試合ぶりの白星を手にした。これでリーグ1位の防御率1・89とセ唯一の1点台をキープ。タイトル獲得も視野に入る中、岡田監督も「せっかくのチャンスやから取らせてあげたいよな」と後押しを約束だ。
安藤投手コーチは村上にとって「一つ転機になったボール」があるという。昨夏に習得し、この日も巨人打線に的を絞らせなかったカットボールだ。
村上は左打者に対して食い込む横変化の球種として、スライダーを持ち球としていた。ただ、「左打者の外のツーシーム系は得意だから、それを一番生かすためにもっと速くキュッと食い込んでくるものがほしかった」と同コーチ。新たな武器で左右の幅が広がり、飛躍の一助を担った。
「チームが勝つことが最優先。そこで自分も勝てたというのはうれしかった」と右腕。“アレ”へ向かうチームの中で、確かな成長と実力を示した。
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