阪神・小野寺 “らしい”一打でつかんだお立ち台の座「長打力がないと1軍に上がれないかなと」
「阪神タイガース5-3東京ヤクルトスワローズ」(13日、京セラドーム大阪)
強い、強過ぎる。岡田阪神が2007年以来、16年ぶりの10連勝を飾った。1点を追う三回1死満塁で、小野寺暖外野手(25)が右前へ逆転の2点適時打。腰痛でベンチ入りを外れたノイジーの代役が見事に穴を埋めた。2位・広島とは今季最大の8ゲーム差。15日の直接対決に勝てば、優勝マジック「29」が点灯する。真夏の虎はもう止まらない。
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小野寺は一発を捨てた。春先まで飛躍を果たすために重ねた試行錯誤を、自らの手でぶち壊した。
今季から就任した岡田監督の目にはかからず、今春は2軍キャンプスタート。1軍昇格を果たすために、それまでのスタイルをガラッと変えた。打撃練習では白球をかち上げ、高々と飛球を上げ続けた。
今でこそ森下らが台頭したが、シーズン前は阪神にとって右の長距離砲は貴重な存在。「タイプ的にいないから。長打力がないと1軍に上がれないかなと思って」。全ては目立つため。持ち味だったレベルスイングを崩してまでもアーチを追求した。
それでも、なかなか手にできなかった1軍への切符。長打を打つためにやってきた取り組みを全て放棄し、再びアベレージヒッターの道に戻った。“らしい”一打でつかんだお立ち台の座。選択は間違っていなかった。(デイリースポーツ阪神担当・北村 孝紀)
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