広島の連勝を止めた阪神ベンチの駆け引き「ネクストに左バッター出していたら…」岡田監督が六回の動きを明かす
「阪神タイガース7-2広島東洋カープ」(28日、甲子園球場)
1点リードで迎えた六回の阪神攻撃中、興味深いシーンが見られた。先頭の佐藤輝が四球で出塁するも、続く前川、坂本が走者を進められず2死となった。打席には木浪。岡田監督はネクストサークルに投手の村上を立たせた。
“次の1点”が取りたいゲーム展開だっただけに、木浪がつないで好機が拡大すれば代打も考えられる場面。もしくはベンチ前で小野寺と島田がキャッチボールを始めており、右翼の前川に代えて守備固めを起用する、もしくは村上に代打を送ってリリーフ投手を6番に入れ、ベンチの代打陣を終盤でフル活用するのか-。さまざまなケースが動きで考えられた。
しかし木浪が四球を選んで2死一、二塁となると、岡田監督は村上をそのまま打席に送り出した。そしてベンチ前でキャッチボールをしていた島田と小野寺に引き揚げるように指示した。試合後、指揮官はこの場面について「村上への代打?いやいや、もう全然準備してなかったよ。それは」と明かした。
「いやいや、ずーっと(リリーフが)投げとったからなあ。7回までいって、2人で行こうと思てたから」と続投させた理由を説明する一方、ベンチ裏で準備していた野手陣には「『9月やったら(村上に)代打いっとったよ』と、『7月やからいかんかった』とちゃんと説明したよ」という。
「あれ、どうなんだろうなあ。(広島ベンチは左投手を)用意してなかったのかな。ネクストに左バッター出してたら、用意してたかもわからんけどな。そのへんはかけひきやからな。そら、もう」と指揮官。最終的には村上が左前打を放って満塁となると、近本の押し出し四球、中野の適時打でケムナをマウンドから引きずり降ろすと、左腕の戸根から森下がダメ押しの2点打を放った。
岡田監督が「用意してなかったのかな」と語ったように、近本の打席で左投手が来ることを想定していたとみられる。村上が安打でつないだことにより、生まれた一挙4点のビッグイニング。一方で勝負が決した裏側には興味深いベンチの駆け引きもあった。
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