阪神・近本「見失っていたものを考えられた」 プロ最長18日間の離脱で得られたものとは

 「東京ヤクルトスワローズ2-4阪神タイガース」(23日、神宮球場)

 阪神・近本光司外野手(28)が右肋骨(ろっこつ)骨折から復帰2試合目ながら、フェンスを恐れない好守で勝利に貢献した。三回に死球を受けながら、五回には二盗に成功するなど全力プレーを披露。攻守で首位陥落の危機を救ったリードオフマンが、18日間の離脱期間で「得たもの」を明かした。

  ◇  ◇

 近本にとってプロ入り後、最長の離脱期間となった18日間。あえて「得たもの」を問うと、「シーズンで見失っていたものを考えられる時間になった」という答えが返ってきた。

 その一つが打席での「立ち方」だという。今季は沖永良部島での自主トレから、足首にある「距骨(きょこつ)」が地面に刺さるような立ち方に取り組んできた。

 近本の個人トレーナーを務める植松弘樹さんによると、距骨を安定させて立つことができれば、地面から力をもらえ、筋肉への負担も軽減されるという。

 一方で、可動性の高い距骨にズレが生じると「足首からバランスを崩してパワーをロスし続けることになる。そうなると打球を捉える確率が低くなり、内転筋への過剰な負担で負傷のリスクも高まる」と説明する。

 シーズン序盤は正しく立てていた。だが、近本は「(距骨を)意識しなくて立てるようになったけれど、意識しないことによって(立ち方が)崩れてきた」と負の流れに陥っていたと明かした。

 結論付けられた訳ではないが、6月の不振の一因とも推測できる「立ち方」を、打撃のできない期間で見直してきた。「(離脱の)何日かを良かったものにするしかない」。近本は新たな決意で再出発を誓った。(デイリースポーツ阪神担当・山本直弘)

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