阪神・島本 4年ぶりシーズン複数勝利 左肘手術乗り越え今季2勝目「頑張ってきて良かった」

 「阪神4-1ソフトバンク」(16日、甲子園球場)

 お立ち台に上がると、苦労人が笑った。格別な光景が眼前に広がる。阪神・島本浩也投手(30)が虎党の称賛に包まれた。

 「最高に気持ちいいです」

 同点の五回から2番手で登板。1番から始まる手ごわい打順を三者凡退に仕留めると、2イニング目は1安打を許しながらも無失点に切り抜けた。

 対戦した7人中6人が左打者であり、左腕としての本領発揮。「左はずっと抑えてやるって気持ちでやっている」と自らの“仕事場”で威厳を見せつけた。降板した直後に勝ち越したため、今季2勝目。4勝した2019年以来、4年ぶりの複数勝利を記録した。

 この日は同じ左腕の高橋が「左尺骨短縮術」および「左肩関節鏡視下クリーニング術」を終えて退院。島本は「手術が終わった時に連絡しました」とすぐさまエールを送った。自身も2020年オフに左肘のトミー・ジョン手術を経験し、故障のつらさは痛いほどわかっている。

 「リハビリが長くかかったんですけど、頑張ってきて良かったなと思います」

 苦難を乗り越えたからこそ味わえる喜びがある。復活を目指す後輩の活力になると信じ、メスを入れた左腕を振り続ける。

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