阪神・前川右京“新庄超え”高卒2年目打点 4戦連続試合安打→藤田平&掛布の記録も追う

 「日本ハム4-3阪神」(10日、エスコンフィールド)

 57試合目にして今季初の3連敗を喫した岡田阪神に、期待の若虎が希望の光を放った。前川右京外野手(20)が22打席目で、プロ初適時打&打点をマーク。2打点をマークし、高卒2年目時点で1打点だった元阪神の日本ハム・新庄監督を本人の前で超えた。連続試合安打も4試合に。チームは今季初の土曜日黒星でロッテと並ぶ交流戦最下位に沈んだが、若きロマン砲が負の連鎖を断ちきってみせる。

 プロ初適時打&初打点。北海道の虎党を大いに沸かせたが、試合後の前川の表情は曇っていた。足早にバスに乗り込んだ背中からは、勝利に導けなかった悔しさがにじみ出た。

 2点を追う四回1死二、三塁。伊藤の直球を捉え、一時同点となる右前適時打を放った。二走・大山の本塁生還を見届けると、右手をパーにしながら上げて、沸きに沸くベンチに応答。WBC右腕の顔をゆがませた。

 カウント3-1からの一打。四球も頭によぎる場面だが、思い切って勝負に出た。初球から3球連続変化球と相手バッテリーの警戒度はMAX。ただ、バッティングカウント形成後は直球一本に絞ったかのようにどっしりと構え、この打席のファーストスイングで仕留め切った。

 「あの場面でなんとか打点を取れたので、良かったかなと思います」

 本人の眼前であっさりと“新庄超え”を果たした。1989年のドラフト5位で阪神に入団した新庄監督は、高卒2年目までの通算は2安打1打点。一方、前川はすでに6安打2打点を記録。虎の元スター以上の潜在能力を予感させる。

 さらに偉大な先輩の記録も追う。高卒2年目では、生え抜きの2000本安打打者で元阪神監督の藤田平氏(デイリースポーツ評論家)が67年に15試合連続安打をマーク。75年にはミスタータイガース・掛布雅之氏が9試合連続安打を記録している。前川は現在、4試合連続安打。虎のレジェンドに追いつくかもしれないと思わせるほど、打席での雰囲気に風格が漂っている。

 プロ初打席から10打席安打がなかったことがうそのように、6月は17打数6安打、打率・353と大暴れ。ただ、前川合流後にチームは4勝6敗1分けと負け越している。得点圏ではこの試合まで6打数1安打、打率・167。「今までなかなかチャンスで何もできていなかったので」と責任を痛感していた。

 「頑張ります」と前を見据えた背番号58。もう立派な1軍の戦力だ。チームが勝ってこそ、自身の活躍に価値を見いだせる。

 ◆主な阪神高卒2年目以内野手の連続試合安打 藤田平は高卒2年目の1967年にセ・リーグ最多の154安打。この年の自身連続試合安打最長は同年5月17日・サンケイ戦から6月3日・大洋戦までの15試合連続。75年の掛布雅之は同年9月20日・巨人戦から10月4日・中日戦までの9試合連続安打を記録している。

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