【中田良弘氏の眼】阪神・才木は殻を破る完封 梅野のリードもさえていた

 「阪神2-0ロッテ」(4日、甲子園球場)

 阪神・才木浩人投手(24)がロッテ・佐々木朗との投手戦を制し、9回3安打で完封、101球で4勝目を挙げた。デイリースポーツ評論家・中田良弘氏(64)は、才木について「殻を破る勝利」と分析するとともに梅野隆太郎捕手(31)のリードも絶賛。「2人で作り上げた価値ある完封」と褒めたたえた。

  ◇  ◇

 才木にとっては、また一つ殻を破る勝利になったはずだ。相手先発は普通の投手ではない佐々木朗。点を与えられない重圧がある中で、相手を上回る内容の投球で自身初完封したことは素晴らしい。

 直球に勢いがあり、九回1死から角中を150キロの高めで空振り三振を奪ったように、最後まで球威は衰えなかった。五回の3者連続三振は全て決め球がフォーク。直球がキレているからこそ、フォークが効いた。

 梅野のリードもさえていた。1巡目は球種の79・2%が直球。相手が直球狙いで早打ちしてくる中で、速い球を印象づけた。すると、2巡目に入ると配球をがらっと変えた。三~六回は直球が41%で、変化球を多投して的を絞らせなかった。

 七回は先頭・岡に初めて四球を与えた後、中村奨を迎えた。初球はスライダーで見逃しストライクを奪うと、2球目は108キロカーブで遊ゴロ併殺に仕留めた。完全にタイミングを外しており、打者の頭にはなかった球だろう。梅野がいいタイミングで要求したし、才木もよく投げ切った。2人で作り上げた価値ある完封だった。

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