阪神・村上頌樹 制球良さとキレが可能にした細川への全球直球勝負

 中日に勝利し、岡田監督(右)とタッチを交わす村上(撮影・中田匡峻)
 力投する先発投手の村上(撮影・中田匡峻)
 2回、福谷(奥)の打球に飛びつく村上(撮影・高部洋祐)
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 「中日4-9阪神」(16日、豊橋市民球場)

 阪神が14安打9得点で快勝し、今季初の5連勝を飾った。阪神、広島などでコーチを歴任したデイリースポーツ評論家の岡義朗氏(69)がこの一戦を解説。本調子ではない中で5回を7安打4失点と踏ん張り、3勝目を挙げた村上頌樹投手(24)の投球について「持ち前の制球力の良さとキレが随所に垣間見えた」と評価した。

  ◇  ◇

 村上はこれまでの登板に比べると、立ち上がりから全体的にボールが高かった。それでも持ち前の直球のキレで打者を押し込み、四回までは走者を出しながらも得点を与えなかった。

 5-0で迎えた五回、2死一、二塁での細川との対戦は、村上の特徴がよく出ていた。

 細川は変化球よりも直球の方が得意なタイプの打者だ。そんな3番打者に対して捕手・坂本はあえて直球を続けた。裏をかいた配球で勝負にいった。

 際どいコースへのボールもありながら結局、7球すべて直球で勝負を挑み、最後に甘く入った7球目を左前に運ばれた。

 どこかでフォーク、スライダーを交えていれば抑えられていたのではと思うが、村上の制球力とキレに対する坂本の信頼感がそれを阻んだのだろう。

 次打者の石川昂に手痛い3ランを浴びてしまったが、村上-坂本のバッテリーも細川への全球直球勝負に悔いはないのではないか。見応えがあり、打たれてなお、村上の良さを感じた場面であった。

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