阪神・村上 セ界タイ記録!60年ぶり開幕31イニング連続0封 更新逃すも魅せた快投
「阪神0-1ヤクルト」(9日、甲子園球場)
60年ぶりの記録達成だ。阪神・村上頌樹投手(24)が六回まで得点を与えず、開幕からの連続無失点を31イニングに伸ばし、1963年に阪神・中井悦雄が記録したリーグ最長に並んだ。直後の七回、サンタナに決勝弾を浴びて記録更新は逃し、甲子園初先発で今季初黒星を喫した。それでも7回1失点で、規定投球回に到達して防御率0・28はリーグ1位。今季の進化を見せつけた103球だった。
記録は止まろうとも、成長の歩みはとどまることを知らない。村上が甲子園初先発。今季初黒星を喫したものの、60年ぶりに快挙を成し遂げた。
「自分だけの力じゃない。キャッチャーの人たち、野手の皆さんがきょうも守ってくださいましたし、そのおかげだと思います」
快記録に肩を並べたのは0-0の六回だ。2死一塁の場面で相手主砲・村上と対峙(たいじ)。坂本とマウンドで言葉を交わした。「(坂本から)『このバッターで行く』と言われました。逃げずに打者を打ち取るぞ、と」。カウント1-2と追い込むと、磨き上げた直球を外角低めいっぱいに投げ切った。村上のバットはピクリとも動かず、見逃し三振。開幕から31イニング連続無失点を達成し、1963年に阪神・中井悦雄が記録したリーグ最長記録に並んだ。
「ボール先行になってリズムが悪い投球になってしまいましたけど、粘れたことは良かった」。走者を背負いながらも奮闘を続けた。二回には今季初の連打を許して無死一、二塁としたが、オスナを空振り三振に斬ると、長岡、古賀をいずれも捕邪飛に。ピンチに動じることなく、味方の好守にも救われながらスコアボードにゼロを刻んでいった。
悔やまれるのは、両軍無得点のまま迎えた七回だ。先頭・サンタナに高め直球を捉えられた。新記録を打ち砕く打球は左中間スタンドへと消え、痛恨の今季初失点。「失投です。先制点が大事な試合だったので、先に相手にあげてしまったのはダメ」と唇をかんだ。
とはいえ、8三振を奪って7回5安打1失点の好投。防御率0・28でリーグトップに立った。現時点で防御率0点台は、12球団でロッテ・佐々木朗と2人だけだ。智弁学園3年時にセンバツVを飾った思い出の地を再び沸かせた。
「ちょっとしたズレもあったので、次に向けて修正したいと思います」。悔しさを糧に、さらなる進化を示す。
◆60年前の31イニング連続無失点は… 1963年に関大を中退した中井悦雄は同年に阪神入団。開幕連続イニング無失点記録は救援でのデビュー戦だった同年9月7日・巨人戦(1回無失点)からスタートした。2試合目の同18日・大洋戦も救援で2回無失点。連投となった同19日・大洋戦、同24日・国鉄戦、同29日・中日戦では先発で3戦連続完封星。プロ6試合目の10月17日・広島戦でも先発し二回に藤井にソロ本塁打を打たれ記録が途切れた。
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