「広島０－５阪神」（５日、マツダスタジアム）

　コイが昇っていくように、ボールは高く、高く舞った。５月５日。子どもたちの夢を風に乗せた、好調の阪神・佐藤輝明内野手（２４）の豪快４号２ラン。大山と４、５番のアベックアーチで魅せた。“ゴールデンウイーク男”が、４戦連続安打＆打点と止まらない。

　「大山さんが打線に勢いをつけてくれている。僕も流れに乗ることができてよかったです」。４番のアーチに触発されたのか、三回２死一塁で迎えた第２打席だ。１－１から高めの直球をフルスイング。月に向かって飛んだ白球は、悠々と左翼スタンドに到達した。

　今季試合前まで対戦打率・１２５と苦手にしていた広島戦。敵地初安打は５試合ぶりの豪快な２ランだ。「大山さんが打つと、自分もどんどん積極的にいこうという気持ちになる。いい感じですね」。不振だったシーズン序盤、チームを引っ張る４番の背中が頼もしかった。追いつけ、追い越せ。チーム内の競争が相乗効果を生む。

　小さい頃、プロ野球選手の印象は…「有名人ですかね」と笑う。そんな憧れの姿になった今、子どもたちの声援が力に変わる。「本当にすごくうれしいんですよね。頑張ろうと思います」。ゴールデンウイークはプロ入りから３年連続で活躍中。あと２試合、フルスイングで夢を届ける。